究め道

色々感じた事を書くブログです

知性あればこそ

R-1グランプリが少し前に行われ、自分は知らない芸人ですが

ネクストブレイクになる人が出て来るのかな?と思っています。

観てないので内容については割愛しますが。

出場者の中に吉住という女性芸人がいて、W-1の優勝経験もある実力者ですが

披露したネタが物議を醸している、というネットニュースを観ました。

自身がデモ活動家という中で、婚約者の家にお邪魔して結婚の許しを得る

というストーリーのネタだった様ですが、

それが面白いと思う人もいればそうでないと受け取った方もいた様で。

 

お笑いの1つの手法として揶揄があると思います。

揶揄の言葉の意味はからかうという意味合いになりますが、

皮肉的な言い回しの表現としても使われます。

デモというのは正当に行う分には一般人に許された権利ですが、

中には正当な権利である事を盾に無茶な行動を取る方も中にはいますよね。

それをメディア等を通じて知っている方もかなり居る事でしょう。

これを彼女は誇張して表現したのでは?というのが

観てない自分の感想だったりします。

違ったら申し訳ないですが。

相手にわかりやすく伝える為に大袈裟な表現をする事も

そんなに珍しい話ではないので、誇張自体もそんなにおかしな事ではない

と思います。

 

そもそもの話ですが、落語等の話芸というのは相手に伝わらなければ

意味を成さないので、誇張したりしてわかりやすくする一方、

観る・聞く側にも一定の知性が求められると個人的には思います。

話の意味・意図を理解する為には脈絡に気付く必要があります。

これってかなり素養がなければ出来ない事なんですよね。

例えばの話ですが、アメリカの人の話芸でアメリカンジョークを披露すると

アメリカ人はウケたりしますが、日本人には???と通じないケースがありますよね。

英語が出来るだけでなく、その土地の文化だったり生活環境や

関係性が把握出来てはじめてジョークがジョークとして成立するのです。

逆によく言われるのが「ツッコミの時に何故叩くの?」という

外国人の声がありますが、日本人はそれについて不思議には思いませんよね。

最近はツッコミで叩くのがNGな風潮をやや感じますが、

これも同じ話だと思います。

一方、誰が観てもわかりやすい笑いというのもありますね。

チャップリンやミスタービーンがその部類に入ると思いますが、

そういう笑いはかなり稀有なものなので

基本的には前者の様な笑いが多いんだと思います。

 

自分の話になりますが、子供の頃は国語で読解力がなくて苦労しました。

今でも自信を持って主張出来るレベルではないですが、

新聞を読んだりして字に触れる事を継続しているつもりです。

そうする事で、普段の会話の際に相手の意図を理解しやすくなった側面は

あると感じています。

 

話の冒頭で吉住がネタにしたものについて触れましたが、

これは全ての事に関してそうなのでは?と思います。

近年お騒がせしている自民党の裏金問題もそうですが、

自身に追求が来ない様な答弁をされている姿を見て

「情けない姿だ」と視聴者が思うのも、知性が備わっているからそう感じる訳で。

文字で書き起こした際の文面上は問題がなくとも、

答弁時の表情や言葉の強弱、過去の背景を考えれば

疑わない方がおかしい様なものです。

別の話として、何気ない発言の揚げ足を取られて炎上する事もありますが、

それも話の前後を見ずに自分の都合の良い部分だけを切り取って

ギャーギャー言う人も同様かな、と。

 

日本人は幼少期に学校という集団生活をし、会社でも団体に属する事が多いので

集団生活には慣れていると思います。

その為、その集団の感性は似て来るのではないかと思うのです。

勿論勉強等もそうですが、誰が何を感じたり考えながら行動するのかを

見ている事が知性を生むと個人的には思っています。

その感性が表現者とどの様な隔たりがあるかによって

感想が異なって来るのかな、と。

 

あとは、隔たりが仮にあったとしても

批判せずに「そういう感覚もあるんだな」くらいの器量で

物事を見るのも良いかもしれませんね