究め道

色々感じた事を書くブログです

インフレ・デフレとも違う

日経株価が先日初の4万円台に乗った、というニュースを観ました。

ニュースでは好景気だと言っていましたが

世間の反応との乖離があるのは事実で

株を保有していない自分からすると株価のニュースは

あまり重要度の高い話ではない様に思ってしまっています。

 

株価は単純に表現するなら『人気投票』という表現をされる人がいます。

将来伸びる可能性のある会社、自分の好きな商品を扱う会社等の株を買うのは

大人になるとそんなに的外れな行為ではありません。

学校では仕組みこそ教えて貰うものの、金銭的な話はカリキュラムとは異なるので

詳しく語られる事はありません。

自分で勉強するほかないんですが、投資というのはリスクがあるもの。

それをしっかり理解した上でトライする意欲が必要になる訳で。

そういうものを身近に学べると良いのになぁ

と大人になってからはやはり感じますね。

 

インフレが起きている旨の発言が日銀総裁からありましたが

実際問題として物価上昇は起きているものの

国民の大半が物価上昇に対して好意的には見ていないと思っています。

長きに渡ってデフレを経験していた日本人からすると

『物価が上がる=買い控えが起きる』という構図が出来上がっている様に感じます。

一部のネット記事やコメントを見ると、スタグフレーションが起きるのでは?

という警戒をしている方が出て来ています。

個人的にはそう解釈されてもおかしくない、というのが今の日本の現状かと。

 

スタグフレーションとは、簡単に言うと【物価が上がってるのに景気は悪い】

というものです。

日本でもかつてオイルショックというスタグフレーション

起きた時期がありました。

石油が取れなくなるという懸念から様々な分野に悪影響を与えた話です。

これを繰り返してはならない、という教訓もあってか

学生時代にスタグフレーションの概要は習った記憶があります。

 

日本は総じて原材料等の資本が少ないので海外に頼らざるを得ません。

その海外諸国で賃金上昇が繰り返され、物価にも跳ね返りました。

結果として原材料の輸入コストがかつてないスピードで上昇しているのは

説明する迄もないでしょう。

一方、上記で載せた様に日本は長いデフレで『物価上昇=買い控え』の構図があり

価格に反映しづらい土壌があります。

株価は基本的に海外の景気状況に左右されやすいものなので、

『海外の好景気=日本の株価上昇』となる訳です。

(株価が海外景気の影響を受けやすいのは何故か?についての解説は割愛します。

非常に長文になりそうな気がするので)

株価のみを見れば確かにかつてない程の好景気なのかもしれませんが

実態としては商品を購入せずに過ごそうとしているので

景気としては好循環を生んでいるとは表現出来ないでしょう。

株価は上がる、物価は上がる、物は買わない、景気は良くない。

これが今の日本だと思います。

 

加えて言うなら、日本人の少子化は待ったなしの状況。

人口が減少すると、単純に経済力は落ちますよね。

労働の中核的な担い手の指標になる生産年齢人口が減少するというのは

お金を稼ぐ人が減る、という事なので。

政府はリスキリングや定年の年齢を遅らせる措置を取っていますが

効果的な対応とは言えないのが現状です。

お金を稼ぐ人が減る代わりに1人あたりの生涯年収が増えて賄えれば良いですが

それも出来そうもない、という感じ。

女性の社会進出を推奨する話もあれば、子育てについて申す事もありますが

あれもこれも言う割には実態に即しているとはとても言えず

無理難題を押し付けている様にすら感じます。

こういった複雑に絡む問題こそ1つずつ解していく様な対応が求められるのでは?

と思いますが、政治家の近年の体たらくは語る迄もなく。

民間企業で独自に取り組もうとする方もいますが、

同調圧力の強い日本ではまだまだ少数派は肩身が狭いのが実情で。

 

スタグフレーションなのでは?という現象は

偶発的に起きるケースもあるのかもしれませんが、

今回の話については今迄の積み重ねによって発生している

という解釈の方が正しい様に感じています。

和を大事にする日本人の側面を利用して

団結して乗り越えられたら、と個人的には思っています。

個々で対策するだけでは限界もありますからね。

この事実をしっかりと受け止めた上で今出来る最善策を実行する。

そして、その策は時と場合によって常に変化するもの

という理解のもとで生きる必要があると思います