究め道

色々感じた事を書くブログです

"男前"と言えるひと

私事ですが、最近色々忙しくしていたので

久しぶりの更新になります。

まぁ、普段からタメになる様な事を載せている訳ではないので

マイペースで行きたいと思っています。

 

最近のニュースでビックリしたのは大相撲の元寺尾関が亡くなった、という話。

年齢は60歳という若さなので

現代ではあまりにも早い、という表現になるでしょう。

ただ、昔から相撲取りの人は短命だとも言われます。

ほぼほぼ無理矢理食事をして身体を巨大化させる作業は

内臓にかかる負担は一般人には想像も出来ないくらい半端ではないこと

でしょうからね。

 

現役時代の寺尾は、身体が丸くて大きい「あんこ型」が是とされる時代で

細身の「そっぷ型」と言われる体形でした。

体質的な問題もあるので、寺尾はあんこ型になれなかったのかもしれませんが

現役時代にそっぷ型の代名詞になっていた相撲取りは

寺尾と千代の富士くらいだったんじゃないかな?と思います。

(詳しくないので、違ったら申し訳ないですが)

細身という表現をしましたが、それは相撲取りの中での話。

寺尾は全身が筋肉質の身体で、むしろぜい肉がそぎ落とされている様な

身体つきでした。

精悍な顔つきもあって、現代で現役力士だったとしたら

間違いなく当時以上に注目されていた事でしょう。

 

しかし、彼の本当に凄いところは通算成績。

860勝938敗という成績で、通算敗北数は歴代2位という記録。

何故負けをクローズアップするかというと、

相撲は負け越しをしてしまうと番付が下がってしまうもの。

番付が十両を下回ると、1場所あたりの取り組み数が減ってしまうんです。

取り組み数が減れば、当然ながら敗北数が増えるスピードも減る訳で。

つまり、敗北数が多い=トップレベルを長期間維持した

という表現になる訳です。

最高位は関脇だったので、本当のトップに上り詰める事は叶いませんでしたが

あまり大相撲の事を知らない人でも知っている関取というのが

彼の知名度を含めた凄さを表現するのにピッタリなのではないでしょうか。

 

人物像としてもとても素晴らしい人物だと個人的には思っています。

後の大横綱となる貴花田と対戦して敗北した際に

悔しさをあらわにしたのですが、

それは相手の実力を過大評価も過小評価もせず

一人の関取として対等に戦った故の気持ちと

同時に年齢として先輩である自身が壁として立ち塞がりたかった

というプライドもあった部分だと思います。

また、引退後に後進への指導もして来ましたが、

自身の部屋から不祥事を起こした関取に対して

世間に対する謝罪と共に本人への更生にも力を入れていました。

今回亡くなった際に、当人が最もショックを受けている

という記事を見ても、その関係性が分かると思います。

 

それと、個人的な話ではありますが

自分が幼少期に祖母と一緒に相撲を観ていたのですが

(祖母が大乃国が好きだったので)

自分はクラスメイトと比べて身体が小さかったので、

寺尾の取り組みの際には、勝手ながら

自分を重ね合わせながら観ていた部分もあります。

「デカいヤツに負けてたまるか!」という気迫で立ち向かう姿は

とてもカッコ良いと思っていましたし、

毎場所優勝に絡む程の活躍はしていなくても

脳裏にはとても焼き付く戦いをしていたのを記憶しています。

 

こういう諸々を踏まえて、一言で表すと"男前"という表現がピッタリな方

だったので、訃報はとても残念に感じました。

今回の話を知った上で、自身の生き方についても

流されるままに生活するのではなくて

全ての事柄について改めて気持ちを奮い立たせよう

と思った次第です