究め道

色々感じた事を書くブログです

変化の波に乗り遅れ

唐突な話題ですが、日大アメフト部の廃部が決定しましたね。

5年前に危険なタックルをした事を発端に

世間から厳しい視線を浴びていた部活動ではありましたが、

今年に入って薬物汚染の問題が明るみになり

加えて大学側の対応にも疑問符が付く中

先日3人目の薬物による逮捕者が出た事が決定打になったのか

廃部という結末を迎える事になりました。

部内の問題は勿論ですが、これで手打ちになるとはとても思えず

関連して副学長が解任された事で理事長を提訴する等

現時点でも泥沼化の様相に。

日本で1番大きな大学の混乱は今後も続くのが想像出来ます。

 

危険タックル事件によって理事長が林真理子氏に交代しましたが、

大きくなり過ぎた組織においてはトップが変わっただけで体制の変化が

達成出来なかった、というのが今日までの状況でしょう。

例えばの話ですが、学校の1学年の1クラスに何十人もいると

自分にとって居心地の良いグループが形成されますよね。

文化祭等のイベントがあれば一致団結する事もあるかもしれませんが、

普段から一枚岩になる事はないのは子供ですら本能的に理解している事です。

それは大人になれば"派閥"という形で残り、

経験と知識が豊富になったが故に余計に問題を悪化させてしまうものです。

今回の日大の問題も根本的にはそれが根深いが故に

こうして露呈しているのだと思います。

不幸中の幸いだったのは、前理事長のままでは闇に葬られていただろう事柄が

大衆の目に晒されている事かなと。

林真理子氏の功績というものではないですが、

世間の関心を以前よりかは寄せやすい状況だと思っています。

一連の報道を観て、視聴者が思う事は様々だとは思いますが

これで全てが終結したとは誰も思わないでしょうし

今後日大やその系列に行きたいと思う人が減るのは

容易に想像出来るんじゃないでしょうか。

 

自分の年齢はもうすぐ44歳。

新しい世代とも古い世代とも言えない微妙な年齢だと思っています。

しかし、価値観は同じ年齢であっても様々でしょう。

因みにですが、自分の価値観は割と古い方だと思っています。

原因はハッキリしており、勤め先の人間・社風が古いままである事と

自身に子供がいないので「新しい価値観」を容易に習得出来ない状況だから、です。

とはいえ、それを自分自身が良しと思っていないので

世間的な関心事が何なのかは自分なりにリサーチはしているつもり。

それでも偏ってはいるんでしょうけどね。

 

40年前と現在の価値観は天と地ほどに違いますよね。

日本の経済が隆盛であったのもありますが、

仕事で言えば残業をしてでも業績を上げる事の方が圧倒的に是でした。

それを端的に表したCMが「24時間戦えますか?」ですよね。

現在は、業績を上げる為に行う事は"残業"ではなく"効率化"。

マンパワーで解決するのではなく、ITを活用して業務を簡略化したり

浮いたマンパワーを別のところに宛てる選択と集中が大事。

その中でライフワークバランスが求められるので、

右へ倣えの様に残業一択ではなく仕事の多様化が進んでいます。

過労死の問題や残業しても業績が上がらない側面があるから

というのもあるかもしれませんが、

今の働き方を40年前の人が見たら卒倒するかもしれませんね。

 

価値観の変化というのは自身の心の部分だと個人的には思うので

自分で意識してアップデートするか、環境が劇的に変化しなければ

難しいものだと思っています。

今回の日大の問題は、理事長こそ変わりましたが

現場で働く職員の方が圧倒的に人数が多いでしょうし、

前理事長の施策を是としていた人達が今でも一定数いるのは間違いないので

価値観が現代仕様になっていなかった、というのが1番の要因かと。

変な言い方にはなりますが、薬物や暴力というのは

学校だけでなく、地域・日本だけでなく世界を見てもどこにでもある話。

それを今迄は「一個人の問題」として片付ける事でやり過ごして来た

というものが、コンプライアンスの高まりや差別の是正、そしてSNSの発達により

同様の対応は前時代的である、という風潮が高まったのかな、と。

 

一時とても流行した『忖度』という言葉がありますが、

個人主義よりも集団意識を大事にする日本人は

特にこの忖度が日常的に行われています。

言い換えれば『空気を読む』という感じですかね。

全ての忖度がダメというつもりはありません。

相手の気持ちを慮った上で行動するのは、時と場合によってはとても良いこと。

しかし、今回の一連の話も含めて忖度が悪い方向へ向いてしまうと

結果的に問題を大きくしてしまう事になる訳で。

とはいっても、何でもかんでもクリーンに生きるというのもまた大変な訳で。

以前、元大阪府知事の橋下さんが「車を運転した事がある人で

1度もスピード違反をしなかった人はいないだろう」と言ったそうですが、

厳密に言えば速度制限40km/hのところを42km/hで走行したら

違反は違反ですよね。

最も大事なことは、ルールを守るというよりも何故そのルールが生まれたのか。

その理由をしっかりと把握する事なんじゃないかな、と。

本質を理解すれば、してはいけない事を自然と辞めていくんじゃないですかね。

 

日大の問題で言えば、薬物所持者を逮捕してお終い、ではなく

一部報道にあった「アメフト部の留学生が持ち込んだ」という話の段階で

しっかりと是正すべきだったでしょうし、

もっと根本として薬物を使用してはいけない理由を教育する必要があるかな、と。

こういう話は、以前も載せたと思いますが

学校だけに丸投げするのではなく、家庭の教育も大事。

成功者は何をしてもOKという教育方針ではなく、

人生を全うする中で何を成し得るか?という事を

考えていくのも大事じゃないですかね。

こうなると宗教染みた話にもなるので、

別の問題が出て来そうでまたややこしくなりそうですが…。

 

今回の話題の当事者ではないので好き勝手言える部分はありますが、

他人の振り見て我が振り直せ、という言葉があるので

自分も律しなければ、と思います