究め道

色々感じた事を書くブログです

難しい舵取り

アジア圏の野球振興と若手選手の育成と位置付けた

アジアプロ野球チャンピオンシップが昨日閉幕。

日本は全勝で優勝を飾りました。

今回の参加国は日本・韓国・台湾・オーストラリアの4か国。

大会自体がまだ第2回という事もあり、発展途中の大会ですが

WBC・世界野球プレミア12に続く国際大会として

野球人口やファン層の拡大に一役買ってもらいたいですね。

 

今年開催されたWBCで日本が優勝、復権を果たしましたが

それによって難航したのが次の監督人事。

優勝の仕方やプロセス等々が日本人の心を打った部分は多分にありました。

勿論自分もその1人です。

しかし、第1・2回のWBC優勝で第3回の監督人事に悩んだのと同じ様に

今回も大変な思いを各所がしていたと思います。

ファンからすると「次の大会でも優勝」というのが期待値になっていますし、

選手選考時に球団側からのOKが出ずに選べなかったり

移籍1年目で新天地で結果を残さないと選手生命にかかわる為に

出場を辞退する選手もあり得るので

ベストメンバーは選びにくいのが常だったりします。

(国際大会がサッカーW杯の様な権威のあるものになっていないのも一因ですね)

負ければ袋叩き、辛勝でも場合によっては許されない事も。

監督に就任しても見合った収入にはならず、拘束期間も長いので

以後の就職難にも繋がるポジション。

こう考えると、良い部分は「日本代表の監督という栄誉」のみなので

普通に考えれば誰も手を挙げたがらない状況なのです。

そんな火中の栗を拾ったのが現役時代にいぶし銀として活躍した井端弘和氏。

アンダー世代での監督経験はありますが、

多くの人が注目する環境では初の舵取りとなるので

その心労は半端ではなかったと思いますね。

 

大会自体は若手主体だったのはありますが、

オーストラリア戦を除く3試合で苦戦をするなど

順風満帆な船出と表現するには難しい部分がありますが

苦労をしても勝ち切った、という点は最も評価すべきポイントでしょう。

昨日、決勝戦の韓国戦をテレビ観戦しました。

投手陣はほぼ文句のつけようがないレベルだったので

その点については議論の必要はなさそうですが

打線はやはり慣れない投手や球筋に苦戦している様子があり、

勝利したので笑い話になってはいますが

失点した回の牧の失策は痛恨で、そういうものが勝敗を分けるポイントに

成り得るのは今回のメンバーも強く感じたのではないでしょうか。

攻撃面でのチームの約束事が多い様には感じられず、

イメージとして感じたのは井端監督が

「国際大会の場を良い経験にしなさい」と送り出している様に感じました。

流石にタイブレークの10回にはクリーンアップの選手を交代させて

送りバントの指示をしましたが

相手投手に対するアプローチが徹底している様には見えなかったので

個々の工夫を黙って見守っている様に見えましたね。

負けても良い試合というのは基本的にはありませんが、

それも覚悟の上で井端監督は戦っていたのかな?と思いました。

試合後のインタビューで「ホッとしている」という言葉は

本人の気持ちを的確に表しているものだと率直に思いましたね。

 

個人的に楽しみだと感じたのはやはり投手陣。

特に西武の隅田と日ハムの根本はこのまま成長してくれたら

本当にベストメンバーに食い込む可能性がある様に感じました。

それぞれ現時点での課題もありますが、伸びしろに期待したいですね。

昔に比べると分業制が確立されているポジションですが、

優秀な人材に先発陣が多いのは相変わらず。

リリーバーの適性を持つ日本代表レベルの投手の出現が

今後待たれるところですね。

 

打者側では広島の小園がだいぶフォーカスされていますが、

今季の活躍を見ると妥当な結果だと思っていますし

(入団時からするとかなり成長したのも見てとれます)

ショートには出場を辞退したオリックスの紅林もいるので

ショートは現時点でかなり層が厚いと思っています。

巨人の門脇がショートからセカンドに移った今大会でしたが

代表レベルで話をするなら牧が主要ポジションなものの

代替選手の不在とファーストの層の薄さ故に

牧がファーストに移動する可能性を考えると

セカンドを守る選手が誰になるのかは気になるところ。

今挙げた選手が大会だけコンバートして戦うのか、

それともニューカマーの台頭を待つのかにも注目したいですね。

 

ともかくですが、様々な難題を抱えつつ難しい舵取りを

無難にこなしたのはお見事。

今後の動向に楽しみが増える大会だったと感じました。

勝てば官軍負ければ賊軍と言われますが、

井端監督には頑張ってもらいたいですね