究め道

色々感じた事を書くブログです

プロ野球の栄枯盛衰

今年のプロ野球の日本シリーズはリーグ優勝同士の対戦となりましたね。

阪神オリックスには白熱した試合を期待したいです。

ドラフトに関連して選手の自由契約の話も含めて

ストーブリーグの話題も出始めています。

レギュラーシーズンの戦いは言わば表舞台の話。

その裏側で今後の戦いを占う話が出ている訳です。

 

日本シリーズ進出に現在1番遠ざかっているのが西武だそう。

2008年に日本一になって以降

リーグ制覇はしてもクライマックスシリーズで敗れて

日本シリーズには進出していない様です。

(先日クライマックスシリーズについて色々載せましたが、

恨み節という話ではなく単純な問題提起と思って頂けたら)

他にも10年以上日本シリーズから遠ざかっているチームは3つあるとか。

ひと昔前だと日本シリーズ進出が遠ざかっているのは

低迷とも捉えかねない雰囲気でしたが、

クライマックスシリーズの出現によって優勝を目指さない事も考慮すると

日本シリーズ進出=黄金期』と単純に表現出来ない部分もあるな

と思いました。

 

自分が子供の頃は西武が黄金期でした。

森監督時代は9年間でリーグ制覇8回。

秋山・清原・デストラーデという中軸に石毛・伊東ほか精神的主柱な選手もいて

投手陣にも郭・渡辺・工藤をはじめエースクラスが揃っていたのは

野球好きな人には語る迄もない強者でした。

セリーグは長嶋巨人を中心に、ヤクルトや中日が対抗馬に。

セパともにですが、盟主ともなるチームを引きずり下ろす事に

躍起になっていた記憶があります。

2000年以降になると、パリーグダイエー(現ソフトバンク)が中心に。

選手が揃う事もそうですが、当時指揮をしていた王監督のイズムが

近年まで色濃く残っていたのは言うまでもないでしょう。

 

20世紀は巨人を中心にプロ野球は考えられていましたが、

プロ野球の1リーグ化構想を端に発し、パリーグ側が集客に本腰を入れる様に。

それによって健全な経営と各々のビジネスモデルがくっきり浮かび上がり

チームによって独自色が強くなりました。

これをセリーグのチームも取り入れる様になったのが現在ですね。

 

以後、強化に成功したチームを挙げていくと

まずは豊富な資金力をベースに育成枠等で人材を抱えたソフトバンクですね。

特に現在メジャー移籍した千賀と、同期の甲斐は育成枠からのスターダムを獲得。

競争力の大切さを実感させられました。

同時期で言えば、成績面で優秀だったのは中日。

落合が監督だった期間では、軸になる選手のずば抜けた野球脳と

ロースコアの展開で勝利をもぎ取る姿は玄人を唸らせました。

次に挙げられるのは広島でしょうか。

カープ女子・神ってるという言葉を生み出し一大ムーブメントに。

広島は資金面では決して強く出られないチームですが、

黒田のメジャーからの復帰を機に3連覇を成し遂げ

黄金期を予感させるには充分の輝きだったと思います。

現在の最適解とも言えるのはオリックス

山本が日本代表のエースですが、山岡の頃から投手に非凡な選手が現れ

その系譜が現在まで続いているのはまさに好循環。

吉田が抜けても今季は独走でリーグ制覇しているので

オリックスに待ったをかけるのが今後どのチームになるのかは注目しています。

 

現在はオリックスが成功例として挙げて良いですが、

上記に挙げたソフトバンク・中日・広島はかつては成功例として

もてはやされたものの、現在抱えている問題が浮上しています。

ソフトバンクは実績のあるFA選手を豊富な資金力で獲得した事で

レギュラーポジションの空白が減り、結果として競争力の低下が顕在化。

長嶋巨人のFA戦略と似た様な所があり、以後の巨人の苦戦ぶりを見ると

同じ道を辿っている様に見えるのは自分だけではないでしょう。

中日は試合巧者であるが故に試合展開にドラマ性が薄く、

結果的に集客に繋がらない事で球団側の内紛が発生。

中心選手の高齢化と共にチームとして低迷してしまったのは説明不要ですね。

広島は黄金期がありましたが、その弊害として勤続疲労と層の薄さが。

資金力に難がある為、実力者を育成するには時間がかかるものですが

実が成った際に次の種を実に出来切れなかった感じですね。

西武もそうですが、広島はFA市場においては売り手側に回る為

チーム力を継続するには育成が最も重要なところ。

歯車がかみ合わなくなると途端に厳しくなってしまうのが難しいですね。

 

かつての成功モデルが現在では旧モデルになってしまうのは

野球だけに限らずどの業界でも起こり得ること。

オリックスが強く居続ける為には、この成功モデルを基に

次のフェーズに入れるかどうかが肝になるでしょう。

個人的に黒船だと思っているのは今季DeNAに加入したバウアー。

彼の研究力がチームに好意的に受け入れられた場合には

今迄感覚的だった指導が劇的に変化する事でしょう。

既に数値化されているものは数多くありますが、力学・身体の連動等が

プロ野球界に一般化されたら、その恩恵は計り知れないと思っています。

自分が知らない様な新たなビジネスモデルもあるでしょうし、

もしかしたら華が開いていないだけで実践しているチームもあるかもしれません。

そう思うとこれからのプロ野球も楽しみですし

時代の流れと共に成功し続ける事の難しさも同時に感じます。

 

こういう話は想像力を掻き立てられるので楽しいですし、

過去の歴史との関連性も大事なので

学ぶべきことは色々あるな、と感じています。

野球ファンを少しでも増やしたり惹きつけたりする為にも

各チームには今後も頑張ってもらいたいですし、期待したいと思います。

 

それはどの業界でも同じこと。

自分の仕事にも繋がる話だと思うので、

襟を正して邁進したいです