究め道

色々感じた事を書くブログです

日本一への思い

プロ野球の日本シリーズは4勝2敗1分という結果で

オリックスが日本一になりましたね。

前回日本一になったのはイチローが所属していた頃の1996年。

阪神淡路大震災があって、オリックスが「がんばろうKOBE」を合言葉に

戦った年だった、と記憶しています。

去年は同じ相手だったヤクルトに苦杯をなめており、

そういう意味でも日本一になれたのは嬉しかったのではないでしょうか。

また、日本一を逃したヤクルトの高津監督が試合後に涙しており

ヤクルトもまた日本一への情熱を持って戦っていた事が伺えました。

両チームとも、まずはお疲れ様でしたと言いたいですし、

オフの期間は短いかもしれませんが身体を休めてもらいたいところです。

 

ちなみに、稚拙な予想でヤクルト優位だと予想してしまった自分に反省。

オリックスが勝つにはロースコアに持ち込む、というのは予想通りでしたが

攻撃力を売りにしていたヤクルトを4戦目以降はほぼ完全封鎖。

特に村上と山田という中核に仕事らしい仕事をさせなかったので

ヤクルトの得点力は激減しました。

塩見とオスナが好調だったので、村上と山田がしっかりと結果を残せていたら

同じ結果にはならなかったでしょう。

それだけ、2人を徹底的に封じたオリックスの救援陣を中心とした投手陣が

素晴らしかったという事だと思います。

オリックスは捕手を固定しない形を採用していますが、

投手陣を巧みにリードした捕手も見事だったと思いますね。

自分の予想以上にバッテリーがヤクルト攻撃陣を封じていたので

見応えのある日本シリーズになったと思います。

 

MVPは杉本。優秀賞に山崎福、吉田正、塩見の3名。敢闘賞はオスナでした。

ヤクルトの人選としては妥当なところ。

終戦にエラーをしましたが、塩見は打線をけん引していましたし、

オスナは両チームの中で打者としては最も優れた結果を残したと思います。

山崎福は2試合に先発で登板し、合計9イニングを無失点。

先発としてはもう少し長いイニングを投げて欲しいと思いましたが、

2試合で無失点は立派でした。

MVPの杉本は2試合で決勝打、吉田正は5戦目にサヨナラホームランを放ちましたが

トータルでの成績と、2人に対する期待値を考えると

個人的には少し物足りなさは感じましたね。

吉田は徹底マークにあって四球攻めで調子を掴めなかったのは致し方ないですが

杉本は去年大活躍をしたものの、今年の不調をそのまま持って来た様な感じで

もう少し結果を残していたら、オリックスはもっと楽だっただろうと思いますね。

納得いかない、とまではいかないですが

MVP・優秀選手と言われると素直に受け取れない自分がいますね。

 

オリックスに流れを引き寄せたのは救援陣だと思っています。

特に0勝2敗1分の第4戦で1-0の勝利をもぎ取ったのは非常に意義があり、

その立役者となった宇田川、最後を締めたワゲスパックは賞賛に値しますし、

上の2人は派手に活躍しましたが、ヤクルトの追い上げムードを感じた時に

まさに『火消し』というに相応しい登板をシリーズ中ずっと続けたベテランの比嘉は

年齢層の若い救援陣の中で平野と共に屋台骨であり精神的支柱だと思うので

個人的には比嘉が最もMVPに相応しいかな、と思いました。

勿論様々な視点があると思うので、選考に異論を挟むつもりはありませんが

昔から中継ぎ投手は日の目を浴びにくいポジションなので

比嘉や宇田川などがどれだけ評価されているのかは気になるところではあります。

 

1つ両チームに注文を付けるとすると、という視点で話をすると

双方とも短期決戦や一戦必勝の戦い方はまだ改善の余地があると思いました。

勝負においてミスは敗因の最たる原因ですが、

ヤクルトはミスで自滅した感があり、

投内連携を含む守備力の強化は必須である事が浮き彫りになりましたね。

また、両チームとも「このイニングで点が欲しい」という際の

チーム内の共通意識が完全ではない、とは感じました。

1つ例に挙げると、昨日の試合の9回表、オリックス1点リードで1死3塁の場面。

点差を2点に広げる事は、勝利する上で非常に重要な場面だったと思いますが

あの場面で戦術としてゴロゴーを選択しなかったのは…とは思いました。

(ゴロゴーとは、打者がわざと内野ゴロを打ち、走者は打った瞬間にスタートを切って

本塁を陥れる戦術です。スクイズに近い戦術ですが、スクイズよりもリスクが低く

チーム間の意識が統一されていればそこまで高等な技術を要さなくても出来る

得点方法なので、割とポピュラーな戦術だと思います)

レギュラーシーズンでは各々の攻撃方法で良かったかもしれませんが、

日本シリーズで勝てば日本一になる試合だった、という点を考慮すると

もっと徹底した攻め方をしても良かったのでは?とは思いました。

ヤクルト側も同様で、レギュラーシーズンの戦い方をそのまま持ち込んだ感はあり

勝負に徹し切る事は出来ていなかった様に感じました。

 

裏を返せば、両チームとももっと強くなる要素があるので

新陳代謝をしながら強いチームを維持するのは難しいですが

両リーグのチャンピオンチームとして他のチームの高い壁になってもらいたいですね。

今年も面白い日本シリーズであった事は間違いないので、

いち野球ファンとして楽しませてもらいました。

野球のシーズンが終わってしまったのは残念ですが、

オフシーズンの楽しみも味わいながら

来年以降の更なる発展を期待して日々を過ごそうと思います