究め道

色々感じた事を書くブログです

加速する変化

ジャニーズ事務所の一連の報道を連日目にしていますが

個人的に気になったのはサントリーHDの新浪社長の

番組スポンサーを降りる可能性に言及した事と

ネスレ日本の高岡元社長がジャニーズ問題に私見を述べている事ですね。

 

テレビ番組はメインとなるスポンサー企業が出資する事で成り立っているものです。

超有名な話として、国民的アニメの『サザエさん』のメインスポンサーである東芝

買収されるかもしれないと騒動になった時に

「じゃあサザエさんはどうなるの?」と思った人も結構居ましたよね。

結果的に東芝は今でも残っているのでサザエさんも放送されていますが

テレビ番組とメインスポンサーの関係は

我々一般人が想像するよりも深いものなのだ

というのが理解出来るエピソードではないでしょうか。

東芝の現在については今回の話とは異なるので割愛します)

そのメインスポンサーである企業側がスポンサーを降りるという事は

番組の存続はほぼ不可能である事を意味しますし、

良質な番組を作り上げる事でスポンサーとの繋がりを深くしてきた経緯が

テレビ局にはある訳です。

今回の性加害問題はその部分に言及しており、

平たく言うなら「テレビ局側が現状維持するなら金は出さない」

と半分宣言した様な形ですね。

(実際には「その可能性があり得る」と言っただけで、決定事項ではないですが)

企業間でまだまだ温度差はありますが、

少なくともサントリーはそれくらいの意思がある、という事でしょう。

 

一連の騒動が起きてからというもの

テレビ局が掌返しに追求していますが、

個人的には局側も加害者だと思っています。

この噂を知らなかったとはとても考えられないですし、

利用していた側な訳ですからね。

そうした人たちに何が一番お灸を据える事になるんだろうか?

と思った時に、真っ先に思ったのが"スポンサーが騒ぐこと"だと思いましたね。

新浪さんの発言は自分の想像よりかは少し抑え目に見えますが

テレビ局に対する警告を発したのは良かったと思っています。

今後テレビ局側がどの様なアクションを取るかはまだわかりませんが

これだけ騒がれている問題をチャンチャンで手打ちするとは思えないので

動向を注視したいと思いますね。

ジャニーズを締め出すのか?という反論をする人もいるかもしれませんが、

それは現在世界的に関心が高まっている人権問題に対しての

理解が追い付いていないだけだと思いますね。

それをしっかりと理解すれば反論の余地はないと個人的には思います。

 

ネスレの高岡元社長が当時の事を回顧しながら私見を述べている記事を読みましたが、

真偽の程は確認出来ないので置いておきますが

非常に的を得ている様に感じました。

CM等の広告を重要視し、タレントの起用も広告代理店を挟まず

自身で判断していたそうです。

きな臭い話に乗ると企業価値が下がるという意識が

とてもしっかりしていたんだと思いますね。

この方はクライアント企業、テレビ局、間を取り持つ広告代理店も同罪だ

と断罪しており、日本の売上至上主義が招いた結果である、と言っています。

人権問題やコンプライアンスを真剣に取り組むと売り上げが下がってしまうから

真剣に向き合ってこなかったのが原因なんだ、という話です。

そういった部分に経営のトップの人間がどれだけ関心を持っているか

というのを最後に投げかけており

自分も我が身を振り返って考えなければ、と思いましたね。

 

昭和の高度経済成長期には売上至上主義という考え方は

恐らく否定されなかったんだと思います。

世界的にどうだったかはわかりませんが、

「24時間戦えますか?」というCMが出る程仕事に精を出す事が

是とされた時代であるのは事実ですし、

それによって国全体が上向きであったのも間違いありませんよね。

しかし、今の世の中はSDGsや環境保全など

経済成長とは異なるベクトルが世界的には支持されており

そういった意識を持たないと嘲笑の的になってしまう時代なのです。

それをどれだけ理解し、実践するか。

逆に実践出来ない場合、先に待つのは淘汰のみ、という現実なんですよね。

すでにジャニーズ問題は世界的にも認知され始めているので

国内だけを抑えれば良い問題ではありませんし、

素晴らしい文化がある一方で世界的関心事への温度の低さが露呈した事で

「こんなに日本は遅れているのか?」と様々な場面で

今後言われる事になるでしょう。

それ程に教養というのは大事だと個人的には思います。

 

変化に飛び込んだり、合わせようとするのは

とても大変ですし疲れるものですが、

脳内のアップデートは常に待ったなしだという事です。

でないと、日本だけが浦島太郎状態になりかねないですからね