究め道

色々感じた事を書くブログです

手綱捌き

野球好きな人の楽しみの1つだった大谷翔平の相次ぐ怪我のニュースは

落胆もあり、二刀流の困難さを改めて感じるものでした。

肘の靭帯損傷と右脇腹痛が現在報道で明らかになっている怪我の内容ですが、

多くのアスリートは大きな怪我でない限り怪我の公表を避けるので

もしかしたらまだ他にも不調の箇所があるかもしれません。

不調箇所を庇って他の部分に負荷がかかる、なんていうのもあるなるな話。

日本人初のメジャーでのホームラン王というタイトルがかかりますが

記録として残る事が大事なのか、それともこれから先の野球人生を考慮するのか。

個人的には本人の判断を尊重したいと思っています。

 

大谷がFAになる事もあって、怪我の報道はよりセンセーショナルに映りましたが

エンゼルスの功罪はより浮き彫りになった感はありますね。

メジャーでここまで大谷が活躍出来たのはエンゼルスだったから

という評は間違っていないと思います。

日本で二刀流をしていても、メジャーで継続出来る保障はなかったですし

他球団に所属していたら、1度目の肘の靭帯損傷で「投手起用はもう2度とナシ」

という烙印を押されていた可能性もあるでしょう。

彼の想像を絶する努力もそうですが、エンゼルスの彼に対する起用法によって

大谷が現在の地位を確立したのは間違いないと思います。

一方、スター選手に大金を払って他の選手との格差を生んでいたのも事実で、

これによってチーム内のバランスは著しく悪かったのも間違いありません。

予算があるのは理解しますが、この格差故にチームが低迷していた部分があり

個人が頑張っても報われない事から「刑務所」なんて酷い揶揄のされ方をする事も。

一部の人間に過度な負担がかかるチーム運営だったので

怪我人も絶えなかったですし、大谷も遂に身体がギブアップ宣言したんだろうな

とも思いますね。

 

報道の内容を少しだけ見ましたが、大谷が不調を感じながらも

出場を直訴していた、という記事を見ました。

一言で言えば彼らしいエピソードなのかもしれませんが、

故障してしまっては元も子もない話。

制御出来なかった首脳陣への批判が出ていますが、

本人の意思を尊重するという考えがベースにあるアメリカでは

契約で縛りでもしない限りは制御出来なかった、というところかと。

一方、日本ハム時代に大谷が色々頑張っているのを

当時の栗山監督をはじめとした首脳陣が制御するのに苦労した

というエピソードを聞いた事がありますが、

当時の大谷からするとストレスを感じる事があったかもしれませんが

結果的には大きな怪我もなく成長出来た、という点については

評価すべき事だと思います。

前例がない二刀流の難しさ、繊細さと文化の違いを感じるエピソードだと

個人的には思いますね。

 

学生時代に部活で肘の故障をした事があるので、

程度こそ違いますが個人的に理解出来る部分はあります。

自分が最終的な故障の決め手になったのは8月でしたが、

その当時は春先から痛みはずっとあり、接骨院に行って診て貰ったりもしていました。

しかし、アイシング等の患部のケアと経過観察を言われるのみで

知識のなかった自分はそれに従いながら部活を続けていました。

チームは大所帯ではなく、1人の離脱でも相当なダメージでしたし

「もう無理」という弱音を吐きたくなかった事、

目の前で頑張っている仲間の輪から外れるのも嫌でしたし

何より「大好きな野球が出来なくなる」というのが何よりも我慢ならなかったんです。

故障後、部活を引退するまで患部の相談を常にしながらリハビリする等

辛い日々を送りましたが、当時自分の選択は後悔はしなかったです。

後悔したのは自分の知識の無さ。

知識があれば避けられたかもしれない事態だと思ったので。

 

二刀流は前例のないものですし、負担が半端ではないのは誰もが理解出来るでしょう。

ただ、程度こそ違いますが、自分が思うのは

大谷は試合でベストパフォーマンスを披露する為に色々取り組んでいるものの

自身のリスクについてはあまり深く憂慮はしていないのではないか?という点です。

その部分については本人が考えるよりも、周囲の人間がサポート・助言するのが

ベストではないかと個人的には思いますね。

例えるならば、気性の荒い馬をコントロールする騎手の手綱捌き

というところですね。

本人が耳を傾けなければ勿論意味を成さないのですが、

そういった部分も含めてコントロールするのが裏方の見せ場だと思いますね。

 

兎も角ですが、いち野球ファンとしては大谷の活躍を期待せずにはいられないので

楽しそうにプレイをしている姿を見たいものです