究め道

色々感じた事を書くブログです

DBSについて

最近耳にするニュースの1つに、DBS(Disclosure and Barring Service)を活用する

という話題が挙がっています。

モデルとなるイギリスで生まれたもので、

過去に犯罪を犯した事がない事を証明するものだそう。

子供に関連する事業や施設で働く際に必要な書類として認定されていて、

物事の善悪の判断が完全でない、また抵抗する事が難しい人物を守るシステムとして

運用されているんだとか。

これの日本版として、性犯罪から子供を守る為に類似システムを

運用するのはどうか?というのが議論されている、という話です。

直近で言うと塾講師が盗撮をしていた事や

ジャニーズ事務所の性加害騒動によって機運が高まったのだと思いますが、

以前から犯罪を犯した人間の再就職やその後の動向については

不安視されていた部分があるのは事実でしたし、

収容所で更生プログラムを受ければ真っ当な人物として社会に戻れるはずだ

という性善説で考えられていましたが

性犯罪を含め再犯率の高さを考えると、その考え方を変化させる必要がある

というのもずっと言われて来た事でもあるので

漸くその第一歩を踏み出せるところに進んだのかな、と思っています。

 

まず大前提として犯罪を犯す行為は事の大小に限らずするべきではありません。

やむにやまれぬ事情があるケースを完全に否定するつもりはありませんが、

犯罪を犯さずに一生を終える人が大多数の世の中において

犯罪を犯した人を救済するシステム、というのは納得がいかない部分が

あっても仕方ないのではないでしょう。

一方、個々に『正義』というものが存在するのだとは思いますが、

1億人以上居る国で全員が犯罪を犯さずに一生を終える

というのはどう考えても不可能ですし、

1度の犯罪から全員が更生する、というのも現実的ではないでしょう。

だからこそ断罪は必要ですし、更生が難しい人物が一定数いる

というのを踏まえた上で、1人でも多くの人間が犯罪に巻き込まれない様な形を

考えたり実践する必要があると個人的には考えます。

今回の日本版DBSは、対象こそ一部ではありますが

話が進展する事に関しては歓迎しても良いものだと思います。

 

ただ、個人的に日本人の悪い部分だと思いますが、

完璧な運用を目指してシステムを構築しようとするあまりに時間がかかったり、

途中で制度が更新される事を嫌う人が結構居ますよね。

自分も保守的な人間ですし、だからこそ頭を柔らかくしなければと思いますが

こういう話はスピード感が大事ですし、

重箱の隅をつつく様な人物やケースは必ず出て来るので

そういう時に柔軟に対応したり制度を更新すれば良いと思うので

周囲の意見に振り回されるのではなく

「こうすればもっと世の中が明るくなる筈だ!」という信念を曲げずに

頑張ってもらいたいと思いますね。

そして、いち国民として出来る事は明らかに間違った運用をされない限りは

静かに見守る事が大事だと思います。

関心が無くなるのもダメですし、あれやこれやと目くじらを立てるのもダメ。

制度を作ったり運用している人たちに対して

「我々は常に見ていますよ」という姿勢を崩さなければ良いのかな、と。

会社で言えば監査役の様なイメージですね。

 

自分が願うのは、この日本版DBSが特定の事業のみを対象にするのではなく

一般的に運用出来る様になって欲しいですし、

今回は性犯罪が対象ですが、再犯率が極めて低い犯罪以外は

全てが対象になって欲しいな、とも思います。

 

1回道を踏み外すと復帰が大変になる、と近年言われていますが

人が亡くなるレベルの犯罪に対してはあまり注視されず

どうでも良いレベルのものに対しては声高に言われている様な印象です。

犯罪を犯す事がなぜダメなのか?

そういった倫理観こそ大切にすべきで

その道を外れる行為をした人間が、以後どうなっているのか

というところまで教育をする、というのが最も効果的かもしれません。

安易に犯罪行為に手を染める前に、未然に防げる体制づくりをしながら

DBSの様な話を同時進行で進めていく必要があると思いますね