究め道

色々感じた事を書くブログです

人としての矜持

昨日、安倍氏の追悼演説として立憲民主党で元総理だった野田氏が

演説を行いました。

リアルタイムでは観ていませんが、記事で全文を読ませてもらいました。

率直な感想として、素晴らしい演説だと感じました。

いち国民がこの様に評して良いものではないかもしれませんが、

国民が求めている政治家の姿を見せてもらった様に感じた文面でした。

 

自分が思っていた野田さんの印象は、実直で真面目な人なので

逆に言うと政治家に向いているのだろうか?という印象でした。

中央政権だけでなく、地方政治であっても

政治というのは人の醜い部分が沢山垣間見える場所。

自分の利の為に狡猾に近付く輩はごまんと居ると思うので、

滅私奉公という日本人の美徳の感性だけでは全く通用しない

辛い立場だと思っています。

だからこそ、自身が生き抜く為に悪い人間と手を組む事もあったり

考え方が次第に毒されてしまったりするのも

ある種自己防衛的には仕方のない事なのかもなぁと思っていました。

国政だけでなく、そういう立場に初めてチャレンジする人の多くは

「この国を豊かに」とか「生活を良くしたい」という

善意の気持ちで飛び込んでいる事と思いますが、

上記の理由で志が保てなくなると共に、目的が変わってしまい

結果として世間の批判の的になってしまうのかな、と。

逆に、自制心を保っている人は所謂「政治が上手ではない人」になってしまい

上の立場に立つ事が許されない状況に追い込まれてしまっている

というのが自分の政治家に対するイメージです。

そんな中、野田氏はある意味異色の存在で、

演説前でも愚直な政治家であるが故に他の人とは違う様に感じていました。

総理大臣だった時でさえ甘い汁を吸おうとする姿勢は一切見えず、

日本という国をどう導くか、を第一に考えている様に感じましたね。

だからこそ疎ましく思われた事も多々あるでしょうし、

今でも支持基盤がしっかりしているのは地元の住民にしっかりと支持されている

証拠でもあると思うので、人間性と政治家の実力で評価が分かれる人物だと思います。

 

安倍氏が日々どの様な事を考えて行動していたかについては

故人から話を聞く事は出来ないですし、

自民党からの評価はある意味身内の話なので偏りがあると思いますし、

彼を嫌う人も大勢いるので、ある意味正しい指針を知る事は難しいですが

野党の党首を務めた事のある人物が、安倍氏を単なる『敵』という認識ではなく

日本をより良い道に導こうとする『好敵手』として語っていたこの演説は

日本人がイメージする理想の政治家の姿を見事に見せてくれたと思いますし、

日々実直に政治活動をしていた野田氏だからこそ

この言葉に穿った見方をされる事もなく素直に受け取る事が出来る

演説だったのではないかな、と感じましたね。

故人を偲ぶだけでなく、相手を認めること、自分の非を詫びること、

そして自身の志を示すこと。

全ての言葉に魂が入った演説だったのではないかと思います。

 

自分も仕事を中心に日々を一生懸命過ごしているつもりですが、

野田氏の演説は"人としての矜持"を感じたので

立場は違えどその意気を自分も持ってこれから生きていきたいと思いました。

自分に出来る事は、仕事で言えば会社を存続させる為に何が出来るのか、ですし

プライベートで言えば最近叫ばれているSDGsやカーボンニュートラルという

次世代になるべくツケを払わせない様な事を心掛けたいですね。

まずはゴミを減らす努力からはじめたいと思います。

 

野田氏の演説を記事で読んで嬉しい気持ちになると同時に

今の政治家に同じ精神で働いている人がどれだけいるのか

についても考えてみたいところです。

上記で述べた様に、政治の世界に毒されて

最初の志を忘れてしまう事もあるかもしれませんが

その意思を持ち続ける人がいたら応援したいですし、

少なくとも自分の選挙区にその様な人は見当たらないので

次回の投票までに政治家がどの様な活動をしているのかは

注視したいな、と思いました。

以前にも載せましたが、投票した後に後悔したとしても

次の投票時にしっかりと新たな意思を示せば良いと思っているので

関心を寄せ続けたいですね