今日はこの話。
バスケW杯が現在も行われていますが、日本代表の戦いは終結しました。
グループステージではグループEに所属。
4か国中上位2か国が2次ラウンドへ、下位2か国は順位決定戦に回る
というレギュレーションでした。
日本はグループEで1勝2敗の3位となり、順位決定戦に。
順位決定戦では、グループFの2か国と対戦する形になっており、
そこで日本はベネズエラとカーボベルデの2か国と対戦し、いずれも勝利。
最終順位として、17-20位のクラスに入りました。
アジア圏の1位になるとパリ五輪の出場権を獲得するのですが、
他国はいずれも日本よりも下の順位になる事が確定。
大会前のチームの目標として掲げていたパリ五輪出場権を獲得しました。
前回の五輪出場は開催国枠でしたが、それ以外での出場は実に48年ぶり。
世界大会での勝利は17年ぶり、欧州勢からの勝利(フィンランド戦)は初、
1大会での3勝と、快挙尽くしと言って良いと思います。
今回のW杯は日本を含む3か国の共催で、開催国だった事もあって
日本の試合は全て開催地の沖縄で行われました。
ホームのアドバンテージは勿論あったと思いますが
日本の戦い方が見事だった、という言い方で良いと思います。
東京五輪で女子バスケ代表のヘッドコーチ(野球で言う監督)として
銀メダルに導いたトム・ホーバス氏を男子バスケ代表に招聘し、
強豪国と比較した際に体格で劣る日本の活路を見出そうとした戦略が
3ポイントシュートを恐れずに打ち続ける「外からの攻撃」でした。
ゴール近くに侵入してシュートを放った方が成功率が高いのは
言うまでもありません。
なので、誤解を招く表現になるかもしれませんが、
外からの攻撃を積極的に行うというのはギャンブル的な要素は含まれています。
しかし、ゴール近くは日本よりも体格が優位な選手で固められている事が多く
容易に得点を許してくれない状況なので
この戦略を選択をした、という事だと解釈しています。
因みに、外からの攻撃が成功していると、相手の守りもそこをカバーする為に
広範囲で守らざるを得ないので、ゴール近くへの侵入もしやすくなる
という意味合いもあると思います。
その為、3ポイントシュートの試行回数と成功率の高さは
この戦略においては非常に重要な要素でもある訳です。
(成功率が低ければ無視されてしまうでしょうし、
試行回数が少ないと相手への脅威にならないですからね)
自分はバスケットボールに詳しくないので、間違っているかもしれませんので
そこについては御容赦いただきたいですが
恐らく日本代表の戦い方というのはこういうものだったと思います。
また、日本の武器として計算していたのは体力面。
単純に言うなら「試合開始から終了まで激しく走り回るスタイル」というもの。
バスケットボールの現在のルールは1回10分のゲームを4回行って
勝敗を決めますが(第○クォーターという表現の仕方をします)、
俊敏性と体力を常に求められるバスケットボールでは
トップレベルになればなるほどフルタイムでの出場は難しくなります。
それほど激しく体力を消耗するスポーツであり、
だからこそスタミナがあるというのは長所に成り得る訳です。
また、交代要員となる選手は絶対的に必要なので
スター選手だけでないチームとしての総合力も求められます。
攻撃に関しても守備に関しても体力は最も関与する部分なので、
日本の走り回るスタイルに相手国が疲弊して逆転を許した側面はあると思います。
戦略を練った上で的確に実践できる選手たちの完遂能力や
首脳陣と選手たちの信頼性の高さも物語っていると思いますね。
最終戦の第4クォーターでは、日本が今大会通じて初めてリードして迎えた事、
結果いかんで目標だったパリ五輪が目の前に見えていた事もあって
張り詰めていた緊張感が若干緩み、最後の相手の総攻撃に苦しむ場面もありましたが
振り切って勝利を掴み取ったのも素晴らしかったです。
勝利した3試合とも安定した終始試合運びではなかったものの
死力を尽くして掴み取った勝利はとても意義があると思いますね。
いずれも結果として勝利したので喜べますが、
もし勝利出来なかったらここまでの盛り上がりとはならなかったでしょう。
日本はまだ強豪国とは言えませんが、アップセットをしたり
苦戦しながら勝利を掴んだりと、スポーツとしての面白さが
凝縮した大会だったんではないかな、と個人的には思っています。
少し前にラグビー代表が同じ様な形で盛り上がっていましたが
新たに熱狂出来るスポーツが見つかったのは個人的に嬉しい事ですし、
スポーツの多様化と共に各種のレベルアップがなされれば
いち国民として楽しみが増えますね。
競技として裾野が広がって欲しいと願うと共に
これを新たな刺激として励みにして個人的にも頑張りたいです