現在、サッカーはアジア杯がカタールで行われていますね。
初戦のベトナムはかつて日本代表を指揮したトルシエが現監督でした。
試合は観ていませんが、リードを許す時間帯もありながら
最終的には４－２で勝利。
２戦目はグループ内では最も実力が近いイラクで
試合終了間際に得点を入れるも１－２で敗戦。
アジア杯の栄冠を手に入れるには苦境に立たされている
という表現が正しい状況でしょう。
２戦目を途中まで観た感想と、初戦を記事で読みながら振り返った限りですが
守備がしっかりとしている様子がない、というのが率直に感じたところです。
ベトナムには日本が近年苦手としているセットプレー、
イラクには前掛かりになってスペースが空いた右サイドを突かれて崩される
という失点パターンでした。
セットプレーはかつて日本のお家芸に近い得点パターンでした。
正確なキッカーが居るというのもありますが、
少ない得点チャンスを活かすには、セットプレーを練習するのは
大事な要素の１つ。
ベトナムはまさに「練習通り」の攻撃をした、という事でしょう。
一方、ディフェンス側はセットプレーは後手に回りがちなものですが、
相手のマークをハッキリする等の対応は事前にある筈。
そういうところが疎かになっているのでは？
と感じる部分はありますね。
イラク戦で右サイドが崩されたのも、相手の思惑にハマった面はあるでしょう。
日本がサイド攻撃を主としているのは試合を観ていれば明らかですが、
サイド攻撃をするには１人では難しいので
攻撃に厚みを持たせる為にはサイドバックの攻撃参加も必要です。
複数の人間が攻撃に絡むから守る側は大変な訳ですが、
サイドバックが攻撃参加するという事は
裏を返せばサイドの守りが薄くなるということ。
ボールを奪われた際に素早くリトリートするなりカバーリングをしなければ
好き勝手に攻撃されてしまう訳で。
ディフェンスは人数が整っていなければザルになってしまう難しいもの。
その為の連携も必要不可欠。
この部分を上手くイラクに突かれた、という事ですね。
双方に言える事として、アジアという枠組みの中では
日本は『対等な相手』から『目標となる相手』に変わった
というところがあると思います。
言うなれば、前回のW杯でみるドイツやスペインの位置付けですね。
彼らに勝利する為に綿密な準備を重ねた結果
W杯ではその２か国に勝利を収める事が出来ました。
今回のアジア杯では、他国が「日本をどうやって攻略するか？」というのを
非常に強く意識している様に感じます。
アジア各国のレベルが上がっているのもありますが、
やはり日本がW杯で上記の２か国を倒したインパクトは強く
分かりやすい目標になったんだろうと推測をしています。
もう１つ指摘をするとしたら、日本代表内でのアジア杯へのモチベーションが
どうなっているのか？というのは気になるところです。
国際大会である事は間違いありませんし
前線の選手はネームバリューがある選手を招集していますが、
ベストメンバーで戦っているか？という質問に対しては
Yesとは回答しにくい選手選考でもあると思っています。
勿論怪我人の離脱や将来性を加味した選考もあるとは思いますが、
出場している選手のやる気の空回りっぷりや
それに対してのベンチワークのフォローも的確にあるとは言えないと思います。
以前から言われているセットプレーの弱さの改善もないですし、
首脳陣は何をしているのか？と疑いたくなる状況ですね。
現在、特定の選手が槍玉に挙がっている状況を見ていると
その選手の問題もありますが、周囲が手を打っている様子も感じないですし
そもそも選手選考の時点でお試し感を感じるのが個人的には非常に不満です。
ビジョンが見えない起用は正直言って公式戦でやる事ではありません。
もし意図がハッキリとあるのであればしっかりと説明してもらいたいですね。
元々第一次森保体制になってからはあまり好意的に見てませんでしたが、
彼にも不満ですし協会には以前からストレスを感じる事ばかりです。
日本代表はどこを目指しているのか？
その為にアジア杯ではどう戦うつもりなのか？
試合を観ていると、その辺りが全く理解出来ないです。
カタールW杯で結果を残した、という見方があるかもしれませんが
ドイツ・スペインに勝っても結果的にベスト１６の壁を突破していないので
もろ手を挙げての評価は出来ないと個人的には思っています。
選手の海外進出が進む中、日本代表としての舵取りの難しさは
あるのかもしれませんが、
かつて川渕さんがぶち上げた「W杯優勝」という目標を達成する為の
道筋を見せて欲しいものだ、と思います。
でないと、放映権の問題でファン離れを危惧する以前に
弱くなったから観るのを止める、となってしまいますよ
