究め道

色々感じた事を書くブログです

2回目の栄冠を目指して

女子サッカーW杯が先月開幕し、日本は22日のザンビア戦を皮切りに

グループリーグを3戦全勝で突破。

決勝トーナメント1回戦の相手はノルウェーになりました。

女子サッカーはあまり詳しくないのですが、

欧州とアメリカが強いイメージなので

決勝トーナメントからはよりシビアな戦いになる事でしょう。

思い起こされるのは2011年のW杯優勝だと思いますが、

12年の時を経て刷新されたメンバーで2回目の栄冠を目指している事と思います。

 

大会前にひと悶着があったのを記憶している人も居る事でしょう。

FIFA側が、近年のジェンダーレス化の推進と女子サッカー人気向上を受けて

各国の放映権をかなり高額に設定した為、

大会前ギリギリまで日本ではテレビ放映がされないかもしれない

という騒動がありました。

日本の女子サッカー人気と関心度の高さを考えると

放映権料はとても払い切れないと民放各社が断ったので

NHKが買い取る事で騒動は決着しましたが、

買取の金額については公表されていないので

サッカーに関心がない人だったり、大会で日本が活躍しなかったら

かなりの批判が巻き起こるんだろうなぁと勝手に想像していました。

しかし、自分の懸念をよそに日本はグループリーグ3戦を完勝したので

期待を抱かせる状況になっているのは良いことだと思っています。

大袈裟に言うなら彼女らの双肩にかかっている訳ですが

下世話な心配をさせないくらいの活躍を期待したいところですね。

 

初戦が週末だったのでゆっくり観戦しましたが、

ザンビアが一枚岩になっていなかったからなのかはわかりませんが

日本の悪い部分というのは殆ど見受けられませんでした。

相手に殆ど希望を抱かせる事をさせなかったので

逆に言うなら日本の実力の現在地が自分にとっては

どの辺りになるのかはイマイチ測りかねる感じでしたね。

しかし、31日の3戦目となるスペイン戦で4-0と圧勝し

日本を含む様々な国のメディアが日本の強さを評価していたので

リアルタイムで観てはいないものの、決勝トーナメントは楽しみだ

と言えるのは間違いなさそうです。

スペインは世界ランクが日本より上ですし、試合中のボール保持率は

70%以上がスペインを指すくらい日本の時間は少なかった様ですが、

日本がボールを奪えなかったのではなく「スペインに持たせていた」

という感じだった様で、堅守とカウンターを含めた素早い攻撃が

この試合に関してはハマったという事だと思います。

格上への戦い方としては現実的なアプローチだと思いますし

以下に書きますが、それだけではないカードを有しているのも

日本の強みとなっている様です。

 

日本代表の主力クラスが海外でプレイしているのですが、

中でも世界的なレベルとして紹介されているのが長谷川。

アタッカーとして素晴らしい能力を持っていますが、

代表時には我を出すのではなくパスを含めた

攻撃に関して総合力で勝負している様子でした。

解説者の中では「もっと前に出て良いのに」という言葉が聞こえるので

所属チームでの役割とは少し異なる部分もあるんだと思いますが、

逆に言えば引き出しの多さを見せているとも言えるので

前回優勝時の澤穂希の様な位置付けになるのかもしれません。

(精神的支柱という意味ではなく、プレイヤーとしての位置付けで考えています)

 

もう1つ個人的に凄いと思っているのは

予選の3試合を全てクリーンシート(無失点)で終えているという点です。

これはGKとDFを含めた守備意識の高さが1試合を通じて

しっかりと保たれていなければ出来ない事です。

1試合だけなら偶然と片付けられる可能性も否めませんが、

3試合続けて、しかも3試合目は格上のスペインだった、という事を考えると

選手たちの守備に対する意識とアプローチが的確である

という事の証明には充分だと思いますね。

これから先はノックアウトステージですし

相手がどこになるかは事前にはわからないので、

情報戦を含めた戦略がより重要になるでしょう。

戦術の具現化がしっかり出来ているのであれば

これから先の試合も楽しみになるのではないでしょうか。

 

かつて日本がW杯を制した時にはブームになったと記憶していますが、

一方で熱量が定着しなかった、という残念な結果にも

彼女たち自身が直面して来ました。

ラグビーも似た様に感じますが、選手たちの活躍があって

生で観戦したいと足を運ぶ様になり、現地で良い体験をする事で

リピーター・ヘビーユーザー、そして競技人口の増加へと繋がっていくもの。

今回の彼女たちの戦いは、ある意味では2度目の挑戦となる訳です。

前回の轍を踏む事のない様に選手だけでなく

女子サッカーに携わる全ての方々に頑張ってもらいたいと思いますし、

いち国民として純粋に活躍する姿を応援させてもらいたいので

悔いのない様に戦い抜いてもらいたいですね