究め道

色々感じた事を書くブログです

46年ぶりという大快挙

バレーボール男子日本代表の話を先日載せましたが、

バレーボールの世界大会であるネーションズリーグで

日本がイタリアとの3位決定戦を制し、銅メダルを獲得。

世界大会での表彰台入りは実に46年ぶりという快挙を成し遂げました。

 

46年前は自分がまだ生まれる前。

女子バレーが『東洋の魔女』というニックネームで活躍していたのが

1964年の東京五輪の頃で、その頃が男女共にバレーボールの最盛期でしたが、

そこから世界中が日本を手本に技術を強化。

パワー・スピード・体格というハンデをテクニックでカバーしていた日本の長所が

相手の技術向上によって突出したものではなくなり、

結果的に長期に渡る低迷期に入った事は

バレーボールの事を知っている人なら周知の事実でしょう。

それでも女子は食らいついて世界大会で3位になる事もありましたが、

男子の成績はオリンピックに出場する機会すら奪われる事もある程に。

自分は最盛期を知らないだけに「バレー熱は高いけど結果は…」という環境で

テレビで放送されるバレーボールを観ていました。

素人からすると、頑張って欲しいけど負けちゃうのは仕方ないのかな

なんて負け犬根性が染み付いている様な感じだったので、

今回の大躍進は本当に感動を含む驚きで一杯でしたね。

 

前回載せた時にレシーブの強化を挙げましたが、

それによって攻撃の多彩化を可能にしたのは間違いありません。

また、試合をしっかり観察していると良くわかるのが

真正面から勝負する横綱相撲の戦い方ではなく、

体勢が整わない時には無理をせず、セカンドチャンスを作り出して

再度攻撃をする等、勝負面での上手さ・狡猾さが感じられました。

狡猾というと言葉は決して良くないかもしれませんが、

例えば、アタック時にわざと相手ブロックのワンタッチを狙うショットをするとか、

軟攻もただプッシュするだけではなく、

吸い込みを狙った形をしてみたりと非常に巧みでした。

(軟攻とは、強烈なアタックではなく、軽く触って落とす『プッシュ』等のこと。

吸い込みとは、アタック時にネットと相手のブロックの間に入り込むことです)

違った形として、強烈なアタックが打てない体勢の時に軽いアタックを打ち、

わざと相手ブロックに当てて日本の選手に拾わせて二次攻撃をする形も。

こういった攻撃は海外の強豪国がかなり意図的にやっていますが、

これを日本がしっかりと技術として身につけている事が感じられましたね。

 

日本の大エースとして石川が君臨しているのは間違いありませんが、

他の選手もかなり海外で揉まれているんだというのを

今大会の活躍を通じて知りました。

それによって、世界基準のバレーを個々で理解した上で

代表時には更に戦略を練って勝負をする、という形が

漸く華が開いた、という事なのかもしれません。

日本国内のリーグがどれくらいのレベルなのかは知らないですが、

海外リーグに行くというのは技術面だけでなく精神的にタフになれるので

そういう意味でも成長しているのは間違いないでしょう。

頼りになる選手が少数では手詰まりになる局面もありますが、

この様な結果を残したという事は日本代表選手のレベルの底上げに成功し、

それが緻密な戦略によって成功を収める事が出来た

と表現しても良いのではないでしょうか。

 

因みにですが、パリ五輪の予選が2カ月後の9月に始まります。

選手からするとあまり休めない日程の様にも感じますし

今回の結果によって相手に研究される事は間違いないでしょう。

しかし、今回の快挙によって注目度は間違いなく上がったと思います。

というか、最も注目を集めるオリンピックというスポーツイベントで

メダルを獲得出来るかもしれない、という期待値は

それだけで選手の活力・協会の繁栄に直結するでしょう。

日本代表が世界を相手に活躍するという姿は

バレーボールだけでなくどんなスポーツを観ていても感動するもの。

彼らの今後の活躍に期待すると共に

新たな嬉しい知らせが来ることをいち国民として楽しみにしたいと思います