究め道

色々感じた事を書くブログです

比較するものではないけれど

世界的な音楽家である坂本龍一さんが亡くなりましたね。

自分はあまり詳しくないのですが、

長い癌との戦いの中で自身の活動をしていた様に思っていたので

功績というよりも闘病中の活動の方が自分のイメージでは強いです。

病と戦いながら、というのがどれだけ大変な事なのかを

本当の意味で知る事は叶わないですが、お悔やみ申し上げます。

 

以前にも載せたかもしれませんが、この年齢になると

『死』に対する考え方がなかなか整理がつかなくて難しいものだと

考えてしまいます。

自分がこねくり回して考えているだけかもしれませんが、

自分がいなくなった後の事を考えて生前をどう過ごすか

というのは近年少しずつ世間的にも関心が高まっているのかな

と思うので。コロナ禍、というのがやはり影響しているのかもしれません。

 

自分の母は、70歳を超えています。

大病も既に1度経験済み。

母の親は、お父さん(自分から見ると祖父)が学生時代に亡くなっていますが

お母さん(自分から見ると祖母)は90歳近くまで生きていました。

祖父の話は殆ど聞いた事がないのでここでは話せませんが、

祖母は幼少時代をアメリカで過ごしていた事もあり

西洋文化と日本文化を自身の生活に取り入れている人でした。

家はリビングに掘り炬燵があって、庭の手入れを割とこまめに。

食事は偶に足を延ばしてパンを買いに行くのが好きで、

若い頃にはコーラスを楽しんだりもしていました。

亡くなったのは大腸癌でしたが、死の2カ月くらい前までは

他人の手を借りずに自分で生活をしていましたね。

癌になってからも病院通いこそしていましたが、

なるべく生活リズムを変える様な事はしていなかったと思います。

また、亡くなる半年前には流石に弱音を吐く事もありましたが、

それまでは病気に対して言葉に色々発する事はなく、

凄く立派で人に誇れる生き様ではないかなと個人的には思っています。

常日頃から「ピンピンコロリが理想」と口にする母は

恐らくですが、こういう生き方を望んでいると思いますね。

 

母方の祖母は上記の通りですが、父方の祖母はある意味全く違う生き方でした。

元々身体が強くないと言われており(病名等は聞いていませんが

長くは生きられないと宣告されていたそうです)

自分が子供の頃から少し散歩をしたら休憩で横になったりしていました。

そんな中、自分が大学生の頃に認知症を発症。

ある時には誤嚥した事で救急車が来る事もありましたし、

身体が比較的動いていた頃には突然警察に駆け込んだりもしました。

娘(自分から見ると叔母)を中心に、時にはヘルパーさんにも頼りましたが

テレビでよく話題になっていた認知症患者の姿を

リアルで体験していたので、叔母だけでなく自分の両親も含め

本当に大変で疲弊する日々だった事を今でも実感しています。

祖母には優しくしてもらいましたが、晩年とのギャップは凄まじく

結果的には周囲の苦労は計り知れないものでしたし、

その祖母が1番最後まで生きていたので

結果的には介護を10数年くらい続けていた事を考えると

ピンピンコロリの件はこの経験もあっての話だろうな、とも思います。

 

ただ、ピンピンコロリが良いとは言っても

突然居なくなられたらそれはそれで困る訳で。

例えばですが、昨今世間で話題の1つになっている強盗事件ですが、

こういった被害に合ってしまったら言葉にならないですよね。

交通事故でも同じですし、何の前触れもない突然死でもある意味同様で

別れの時間を持てないままこの世を去ってしまうのは

本人も周囲の人間にとっても辛い事でしょう。

何かで聞いた事がありますが、病気になって死ぬまでの期間は

お別れまでの心の整理を付ける時間だ、と。

生物である以上、"死"は平等に訪れるものですが

そこに至る迄に整理する時間がある、というのはある意味良い事なのかな

とも思ったりします。

 

諸外国の中には、安楽死という選択もあります。

日本では考えられませんが、尊厳死というのも選択の中の1つ、という考え方ですね。

自害するのとは別で、病気等による苦しみからの解放と

周囲への整理の時間をしっかりした後であれば

こういう事も必要なんだろうか?とふと考えたりします。

坂本龍一さんも、長い闘病生活が続いていましたが

亡くなる前には「もう逝かせて欲しい」という記事があるくらい

本人も辛い時間だったと思います。

それを見る事しか出来ない家族もまた同様でしょう。

 

自然に天寿を全うして死ぬ事が理想の1つだとは思います。

しかし、誰しもが理想通りの最期を迎える事もまた難しい話。

こういう事を考えながら、『生きる事』もまた必要な事ですよね。

自分には子供が居ないので、その時にはまた違う対応が必要になるでしょう。

とはいえ、今の自分に出来る事と言えば

後悔なく生きる事、周囲に迷惑をかけない生活を心掛ける事

くらいなのかもしれません