W杯が開幕し、日本は昨日初戦のドイツ戦を勝利で終えました。
正直、戦前の予想では厳しい戦いが予想されていましたし、
自分も良いイメージは持てませんでした。
実際、前半45分だけを見たら期待を持ち続けるのは難しかったでしょう。
しかし、後半に選手の交代と戦術の変更を行ってからは
別のチームが戦っているかの様でした。
森保監督の采配が的確だった、と評すべきでしょう。
日本代表で芳しくない状況が続いていたので
W杯で惨敗してサッカー協会全体の問題提起になれば、
なんて書いた様な気がしていましたが
現場は必死に戦っているんだという事を痛感すると共に自身のマインドを反省。
勝てば官軍負ければ賊軍ですが、今回は勝って自分たちの価値を証明しました。
2戦目以降も期待したいところです。
サッカーに関しては、学校の授業や球技大会程度しかやった事のない素人ですが、
昨日の試合の勝因はざっくり考えると3つかな、と思います。
①ドイツが日本を下に見ていたこと
過去の実績からすれば日本が格下なのは間違いありませんが、
前半の圧倒ぶりを見せた事で後半は明らかにプレーの強度を落とした印象でした。
日本の戦術変更でドイツが攻めあぐねたのもありますが、
「ゲルマン魂」と呼ばれる試合終了まで戦う姿勢が
昨日に関してはなかった様に感じましたね。
客観的に見ればグループEは2強2弱。
ドイツにとっては2戦目のスペイン戦が頭にあった事でしょう。
ペースダウンして体力温存を考えたり、
前半の戦い方を継続してのプランBが用意されていなかった印象は強く、
ドイツのチーム全体が初戦の入り方に慢心していたと思います。
悪い言い方をすれば「舐めプ」でしたね。
一度緩んだ緊張を再び戻すのはどんな凄いプレーヤーでも非常に難しく、
日本の思わぬ反撃によりドイツは明らかに混乱していたと思います。
②今大会のルールを活かしたこと
今大会から選手変更が5人になりました。
以前は3人、延長戦に限って4人目がOKというものでしたが、
選手変更を多くして良くなった事で、
後半のスタート時にディフェンダーを加える采配を大胆に取る事が出来たと思います。
一般的にサッカーにおいてディフェンス陣を交代させるというのは少なく、
明らかにテコ入れしたい場合に限ります。
しかも、交代枠が3人の場合、そこに1枠使うのは積極的に攻める姿勢を
見せられなくなるのとほぼ同義の為、監督からするとなかなか決断が難しいもの。
前半が明らかにボール奪取に苦戦していたので、
プランBを実行すべくディフェンダーを入れてテコ入れを図るという決断を
枠が5つになる事で決断しやすくなった感はあったでしょう。
また、近年サッカー界を変えつつあるVARというシステム。
簡単に言うとビデオ判定でより正確なジャッジをしましょう、というものですが
前半終了間際にドイツが2点目を挙げかけたのが
VARによって取り消しになりました。
恐らくですが、VARがなかったら得点が認められていたでしょうし
0-1と0-2ではゲームプランに天と地の差があったでしょう。
そういう意味でも、今大会のルールは日本に追い風だったと言えますね。
③チームが一丸となっていたこと
最も重要な事ですが、フィールド上にいた選手だけでなく
ベンチも含めて「勝利」の為に全員が最善を尽くしていたこと。
これが出来ていた様に感じました。
代表選手は、言い換えるとスター選手の集まり。
所属チームでは中心人物だった人が、日本代表になるとベンチで待機せざるを得ない
なんて事は決して珍しい話ではありません。
その時に、心の底からチームの勝利を願える人と
自分が試合に出たいから味方のミスを願う人。ベンチで不貞腐れる人。
これは人間の心理としては嫉妬とかもあるので自然な感情かもしれません。
しかし、その感情を決して表に出さない様に抑えて
試合に出られる可能性が10%もなくてもしっかりと準備し、
試合中の味方への鼓舞を続けられる事がどれだけ難しい事なのかは
スポーツをした事がある人ほど理解出来る事だと思います。
ゲームプランがしっかりしていて、役割分担が出来ていても
感情によって100%が出し切れない、なんて事は当たり前な中
昨日の試合に関しては本当にチームが一体になっていたと感じましたね。
森保監督が広島の監督時代から得意にしていた分野ではありますが、
これが昨日の試合ではしっかりと発揮出来ていたと思いました。
選手交代の意図もしっかりと選手に伝わっていましたし、
メンターと言われる彼の手腕が存分に活きていたと思います。
星勘定をするのは良くないとは思いますが、
初戦を勝利した事で決勝トーナメント進出の可能性はグッと高まりました。
2戦目のコスタリカは、スペインに大敗した事で恐らく戦意喪失気味でしょう。
スペインも大勝した事で、2戦目のドイツ戦に余裕を持って戦う事が出来る筈。
スペインが3戦目に選手の質を落とす可能性もあるので、
日本としてはかなり有利な状況になったと思います。
現場で戦うチームの士気も高まっていると思うので
勢いを維持したまま次戦以降も戦って欲しいですね。
1点だけ物申すとしたら、ですが
昨日の試合をNHKで観ていたのですが
ハーフタイム中のインタビューが流れていたのは
ハッキリ言って辞めて欲しいですね。
試合中に優勢劣勢に限らずチームとして色々やらなければならない事があるので
メディアに対して配慮をする余力を持つくらいなら
試合に集中して欲しいです。
そこについては森保監督ではなくサッカー協会がしっかりと制するべきですし
メディア側もリアルな内情を伝えたいという気持ちだけで
一線を超える様な行為だと個人的には思ったので
真剣に戦っている最中に邪魔しないであげて欲しい、という思いです。
試合よりもそういう配慮の無さが個人的にはストレスでした。
ともかく、次戦は日曜の19時。
睡眠時間を削る事無く観れそうなので、観戦を楽しみにしようと思います