究め道

色々感じた事を書くブログです

東北勢の悲願

先日、高校野球の甲子園大会が終了。

仙台育英高校が初優勝を成し遂げました。

仙台育英だけでなく、東北勢が夏の大会で優勝するのは初めてなので

高校野球ファンからすると「深紅の大優勝旗が遂に白河の関を超えたか」

と表現する方も沢山いた事と思います。

 

関所があった頃の呼び名に合わせて

福島県の県境にあった白河の関所を目印に

関東から東北へ移動する際の言葉として"白河の関"という言い方をしていました。

自分が学生の頃から北海道と東北勢は良いところまで勝ち進んでも

優勝をした事がなかったので、優勝の2文字が見えると

度々新聞の紙面に「深紅の大優勝旗白河の関越えなるか?」と書かれたものです。

今では当たり前の様にウエイトトレーニングが高校野球でも導入されていますが、

自分の頃はまだ取り入れられ始めた頃だったので、

北海道と東北勢が優勝出来ない要因として

「冬場は雪が降るので練習が存分に出来ず、結果として優勝出来ないのでは?」

と言われていました。

雪が降る地では、冬場はボールを使用しないトレーニングしか出来ず

練習不足なのではないか、という話なのですが

ある種これらが迷信の様に伝えられていたこと、

そしてそれが選手自身の無言の重圧になっていたのかな、と

個人的には想像します。

プロの選手ではないので、雰囲気に飲まれず普段通りのプレーをするのは

難しいですからね。

そんな空気をはじめて振り払ったのが楽天・田中が所属していた駒大苫小牧

優勝旗が東北を飛び越えて北海道に渡ったのが2004年の話。

甲子園大会がはじまったのは1915年なので、

これが如何に快挙であったか、というのは想像に難くないのではないでしょうか。

 

近年でも、東北地方の高校を出たプロ野球選手は枚挙にいとまがありません。

大谷翔平菊池雄星・佐々木朗希・ダルビッシュ有佐藤由規…etc

近年でもこれだけの選手を輩出しながら優勝出来なかった訳なので

今大会は本当の意味で呪縛を取り払ったんだなぁと思いましたね。

芸能界をはじめ色々な人が祝福のメッセージを載せていますが

本当に素晴らしい事だと思います。

おめでとうございます。

 

準優勝の下関国際高校も、優勝の大本命だった大阪桐蔭高校を下すなど

大会を大いに盛り上げてくれましたし、

大阪桐蔭高校だけでなく、大会注目選手の活躍も随所にあったので

自分はリアルタイムで観ていた訳ではありませんが、

コロナ禍から脱そうとしている現在の中で

かなりの盛り上がりを見せたのではないかな、と思っています。

 

高校野球はプロとは違い、ある意味では誰でもプレイする事が出来ます。

自分も決して優れた選手ではありませんでしたが

高校野球経験者でした。

だからこそ思い入れもありますし、当時は一生懸命練習等に励んでいたので

彼らの試合に懸ける思いはそれなりにでも理解出来るつもりです。

そんな思いが形になるのが甲子園という場所だったり

そこを目指す過程がかけがえのないものな訳で。

今年もドラフトでプロ入りする子がいるとは思いますが、

高校野球に携わった全ての高校生に幸多き未来が来る事を願いたいです。

今がこんな世の中なので、未来の見通しは決して良くないでしょうが

若い子が存分に活躍出来る社会にしていきたいですね