究め道

色々感じた事を書くブログです

残念な部分が山ほどある話

高校野球の甲子園大会は23日に決勝戦が行われますね。

決勝に残った2校は、仙台育英と慶応。

仙台育英は昨年初めて東北勢として深紅の大優勝旗を持ち帰った事で

東北勢の悲願を達成した訳ですが、

連覇を成し遂げられる唯一の存在として堂々たる戦いで勝ち進んで来た印象です。

一方慶応は自由な校風そのままに

今迄の高校野球のイメージを変える戦いを見せている様に感じます。

神奈川県の県予選決勝で物議を醸した判定がありましたが、

敗れた横浜高校も慶応高校の躍進に胸が熱くなる思いを

持っているんじゃないかな、と想像します。

 

高校野球は、自分が思うに「国内のアマチュアスポーツにおける最大の大会」

だと思っています。

歴史があるのもそうですが、今現在でも日本のスポーツにおいて

最も関心度が高いのは野球だと感じますし

(野球人口の低下と現場の危機感はありますが、関心の高さで言えばNo1かと)

スポンサーという側面もありますが、テレビや新聞などの媒体が

ずっと追い続けていますし、

10代の高校生と言われる限りある期間であること、

その短い期間を1つの事柄に熱中するという精神性も含め

日本人が熱狂出来る要素が詰まったアマチュアスポーツのコンテンツだと思います。

 

だからこそ、という言い方も出来るのですが

近年の高校野球は時代の変化とイメージとのギャップに

常に晒されている様にも感じます。

一言で表すなら、高校野球を語る人が二言目に出て来る

「高校生らしさ」という実に曖昧なもの。

語る人が言う高校生らしさ、というのは恐らくですが

自身の高校生くらいの年齢での出来事を表していると思います。

70歳と40歳と20歳の『高校生の頃』というのは

誰が聞いても同じ環境下ではないのはわかる事でしょう。

しかし、頭ではわかっていても、観ている人は自分の頃と勝手に比較し

やいのやいの言ってる感じですよね。

 

今回慶応が注目されるものの1つとして「坊主頭ではない」

というものがありますが、

昔の高校野球に携わっていた人からすると時代の変化を

感じずにはいられない出来事だと思います。

詳しくはわかりませんが、江戸時代の寺子屋で学ぶ子供の絵が

坊主頭であった事から推測すると

学びは寺の修行に近い様な位置付けで

だからこそ坊主頭が当たり前なのかな、と。

それが根底にある為に、教育の場では坊主にするのが主流であって

時代の変化と共に坊主頭で過ごす事に違和感を持つ生徒が増えて

殆どの生徒が自由な髪形をして良い中、

野球だけがその側面を残していた、と解釈しています。

20年以上前ですが、自分が学生の時は

弱い学校だった事もあって反発気味に全員が坊主にしませんでしたが

かなり異分子感はありましたね。

そこに違和感を持たずに坊主にするなんて、と当時から思っていましたが

野球人気低下の一因に挙げられる事もあって

現場が少しずつ変わっている印象はあります。

しかし、観ている側からするとまだまだ違和感がある様で。

坊主頭にしていない高校は慶応以外にもありましたが、

紹介される際には「この学校も坊主頭ではありませんね」

なんて言い方をされる始末。

そんなところに触れる必要はないと自分は思いますが、

こういうところに足枷が見えている様に思います。

 

また、決勝戦仙台育英と慶応の2校ですが、

メディア側はこぞって慶応をフォーカス。

坊主頭でない事もそうですが、控え選手に甲子園の申し子だった

清原の息子がいるのも注目しやすいポイントだからか

連覇がかかる仙台育英には殆ど触れられていない印象です。

違和感を感じる人がかなり居る様ですが、

この構図が「"ハンカチ王子"の早実vs駒大苫小牧の様だ」と言う人も。

当時の駒大苫小牧は3連覇がかかっている上

スーパーエースだった田中将大を擁しているにも関わらず、

メディアは試合中にハンカチで汗を拭う斎藤佑樹ばかりを追い

駒大苫小牧をまるで「爽やかな選手たちに立ちはだかる壁」の様な扱い。

自分もこの例えを出された時には『確かに』と納得せざるを得ない気持ちです。

 

日本vs他国という対決であれば日本に肩入れするのはまだわかりますが、

日本国内の話で、且つアマチュアスポーツというものであれば

平等に扱う事が最も求められる事では?と思いますね。

視聴率が欲しいのは企業である以上必要でしょうが、

これでは偏向報道と揶揄されても仕方がないですよ。

ただでさえ普段から政治の話を中心に

平等に報道しているとは言い難いのが現状なので

この部分に関しても醜い部分が出ていますね。

 

試合の部分で挙げると、今回から試験的にスタートした

『クーリングタイム』という制度。

5回終了時に一旦ベンチ奥に退去して熱中症対策をする、というものですが

突然取り入れられた制度だからなのか

大会直後からクーリングタイム終了後の6回以降に

足の異常を訴える選手が相次いで現れましたね。

熱中症対策で休憩を入れる事は、逆に言えば6回以降に

すぐにトップギアにしなければならない、という事。

サッカーの様に元々そういう文化があれば良いですが、

野球でいきなり取り入れたら混乱が起きるのは目に見えてる訳で。

それなら、以前ここでも載せたりスポーツ選手が提唱している様に

時期の変更や朝と夕方の2部制の導入など

そちらの方が選手ファーストな考え方だと思いますね。

ぶっちゃけ、クーリングタイムはお茶を濁しているだけの「やってます感」ですし

選手ファーストではなく興行ファーストであるが故に

上記の提案が受け入れられないんだろうな、と感じます。

 

SNSが発達した事により、おかしいと思っている人が

他にもたくさんいる事を知れたのは良かったと思いますが、

これ以外の部分も含めて、今回の大会で残念な部分が色々垣間見えますよね。

誰も責任が取れないまま時間だけが流れている

という日本の悪い部分がありありとある感じです。

考え方も報道もルールも時代に即していかないと

柔軟な若者に「日本自体がオワコン」なんて言い方をされてしまうのも

もしかしたら遠くない未来かもしれませんね。

特に漬物石の様な方々には早く退場して頂きたいものです。

 

そして、自分がそう言われない様に自己研鑽が大事だ、という事ですね