究め道

色々感じた事を書くブログです

真似出来ない=才能?

昨日テレビ番組のコーナーで、元気が出る歌の裏側エピソード

というものがやっていました。

その中の1つでウルフルズの代表曲「ガッツだぜ」の誕生秘話について

トータス松本はじめメンバーが当時を回顧していたのですが、

彼らがデビューした1990年代は本人曰く「バラード曲が主流」で

彼らもバラードで勝負がしたかったらしく、

音楽プロデューサーらが集まる会議で多くの曲を入れたデモテープを流し、

その中で採用されるものを決めてもらおうと思っていたとか。

しかし、自分たちが作った曲は全て否定的な反応しかなかった様で

それが相当ショックだったと言っていました。

デモテープは当時〇分と枠が定まっているものが多かった為、

枠にちょっとだけ時間が余った為、「おまけ」と称して

KC&ザサンシャインバンドの有名曲「thats the way」を流しながら

空耳で聞こえた「thats the way」を「ガッツだぜ」と言うだけのものを流したら

「これ、いいじゃない」という周囲の好反応によって

「ガッツだぜ」の曲の基盤が決まった、というエピソードが紹介されていました。

正直、この話は昔どこかの違う番組でも同じエピソードを語っていたので

これを観ながら「これ知ってるわ~」と思っていました。

 

全く別の番組で、爆風スランプの「runner」が大流行した際に

サンプラザ中野くんは当時の熱狂に違和感を抱いていたとか。

応援曲として広く世間に浸透する一方、

本人がその意図で曲を作った訳ではなかった為

「違うんだよなぁ…」と思いながら求められるがままに歌っていたそうです。

しかし、ある時知り合いから「中野の声で応援されたから頑張れたよ」と

言われた事を思い出し、「歌が応援歌なのではなく、自分の声質が応援向きなのだ」

という事に気付いて、はじめてそこで納得が言った、

というエピソードもありました。

 

これもまた別の番組ですが、有名曲の何が凄いのかを語る番組があり

ゲスト出演していたゲスの極み乙女。川谷絵音

とある応援ソング(どの曲かは忘れてしまいましたが…)を

「これは彼らにしか歌えない」と言っていました。

司会者が説明を求めると、「同じメロディー・歌詞を作っても、

自分(川谷自身)が歌ったら押し付けがましいだけのものになってしまう。

彼らが歌うから意味がある」という回答でした。

 

個人的な見解にはなりますが、3つのエピソードに共通するものは

「歌い手と曲がマッチしてはじめてヒットするのだ」ということ。

まだ見ぬバント・歌い手の人たちが数多く存在するのは勿論わかります。

宣伝方法が巧みであるというのもヒットの重要な要素ですが

本質論からするとそのミスマッチがあって売れていないのでは?

とも取れるかな、と。

メチャクチャ良い歌詞や曲を作れる人が、テクニック的に上手に歌っても

相性として合わないものを追求しては仕方がないのかな、と思うのです。

逆に、そこに気付けた彼らはヒット曲を生み出す訳ですが、

その曲を素人がカラオケで歌ったとして、

機械上は高得点を出すことが出来る人が

例えばの話ですがライブやショーなどで歌って

客を熱狂させられるか?と言われれば疑問符が付くところでしょう。

「プロじゃないんだから当たり前でしょ」と答える方がいるかもしれませんが

有名曲を他のプロの歌い手がカバーする曲を聴いても

同じ様な感情が湧かない(違った良さ、として捉える事は出来る)と思うんです。

その人の声質・声量、もっと言えば声の周波数とか?が

顔と同じ様に1人1人違う訳で、これって一言で表すなら

やっぱり「才能」という事になるんだろうな、と思います。

(そうやって片付けてはいけないのかもしれませんが

自分の様な凡人にはこういう結論しか導き出せないです)

 

これは音楽だけではない話だと思っています。

あらゆる仕事に技術があって、真似出来るものもあればそうでないものもあります。

画一的なサービスも、作り上げれば立派な財産、才能だと思いますし

その人にしか出来ないものがあれば、それはやっぱり才能な訳で。

人には色々な可能性がある、という話はよく言われる言葉だと思いますが

その可能性や才能に気付けた人が成功するのかな、と個人的に思います。

 

ちなみに、自分はその才能が何なのかはあまりよくわかりません。

妻は自分の事を「こんないいところがあるよ」と褒めてくれて

それは才能だ、と言っていますが

あまり自分の中ではピンと来てはいません。

特別な事をしているつもりがないので。

才能がある人間に憧れる、というのは誰しもがある事だと思いますが

「憧れ」で片付けるのではなく、本当の意味で「自分の良いところ」に

気付けるかどうかって、やっぱり大切な事なんだろうなと思います