究め道

色々感じた事を書くブログです

繁栄と目的の変化

東京オリンピックが遂に開幕しました。

大会前に新型コロナウイルス関連の話題だけでなく

色々な部分において騒がれている今大会ですが、

デリケートな部分について触れてみようと思います。

 

今大会から正式種目になる空手やクライミング

そしてスケートボードは日本人のメダル獲得に盛り上がると共に

初めて『競技』として観る人もいるのではないでしょうか。

東京オリンピックが決まった頃から、今大会での正式種目化で

複数のスポーツが最終選考に選ばれていた頃を覚えているでしょうか。

オリンピックという世界的イベントに選ばれれば

当然ですがスポーツの認知度が上がり、競技人口も増える事は間違いありません。

それが競技のレベルアップに繋がって、より凄いプレイが見られる様になっていく

というのが描かれる道筋な訳ですが、

その繁栄において切っても切れないのはやはりお金。

選手の強化費もそうですが、マイナースポーツは競技人口を増やす為に

宣伝活動も大事になります。

競技とは全く違った分野になるので、プレイヤーだった人が宣伝活動に転身するのは

並大抵の努力では成果を上げるのは難しい事でしょう。

だからこそ、協会というものが設立され、そこにお金を集めて

宣伝活動を積極的に行っていく必要がある訳で。

規模が大きくなればスポンサーになる企業も現れるでしょうが、

知名度が低いとそもそもスポンサーになってくれる企業も現れないので

こういう活動は非常に難儀します。

そうするとお金を集める作業に奔走してしまい、

本来の目的である宣伝活動が充分に行えない、なんてジレンマも。

多くのスポーツではこの様な実情がある訳です。

 

一方、メジャースポーツにおいては注目度が高いだけに

広告によって多額の資金が動く現実があります。

大きなお金が動くだけに、相応しくない人物が現れる率が高くなり

競技の繁栄という大義名分を利用して甘い蜜を吸う人が出て来たり。

余計なところで足を引っ張られてしまう事もある訳です。

 

今回のオリンピックで露わになった部分でもありますが、

どのスポーツにおいてもこういう構図はあるものです。

自分は学生時代に野球をやっていたので

野球に関しては正直色々思うところがあります。

日本において野球はメジャースポーツの1つですが、

過去には八百長問題や球界再編、プロアマの垣根の問題等々。

多くのプレイヤーが純粋に野球に臨めない様な事は色々ありました。

その度に辟易し、観る者の気分を著しく害してきた過去があるので

今回のオリンピックの騒動を見ると、

人間が人間の足を引っ張る構図に残念な気持ちしかありません。

競技を繁栄させる為にお金が必要なのは事実ですが、

不透明な金の流れや不穏な人物、各国の思惑等々。

このオリンピックが日本で行われる事になったからこそ

多くの日本人が白日の下にさらされた事実を見て憤慨した事でしょう。

しかし、これが海外で行われたとしたら、ここまで大騒ぎになったでしょうか?

恐らくならなかった、と自分は思います。

だからこそ、今回の教訓を忘れる事無く

こういった国際的なイベントには良い事ばかりではないのだ、

という事を理解してもらいたいですね。

 

政治家をはじめ、人はだいたい都合の良い事を言って信用を得ようとします。

しかし、そこには必ず裏やリスクが存在しているもの。

そういったものを正しく精査する"目"が国民には必要だと思いますね。

今回はオリンピックというスポーツにおいて色々話が出ていますが

万博とかその他の事においても同様です。

お金は大事ですし、お金を要らない、という人はごく僅かでしょう。

しかし、そこにばかりフォーカスして本来の目的を失うと

途端に人間はおろかになってしまいます。

自分を律する能力がある動物なので、

そういったものはなくさない様にしたいものですね