究め道

色々感じた事を書くブログです

沢村賞から思う事

今シーズンのプロ野球は例年より試合数が少なかった事もあって

題名にした沢村賞というタイトルの決め方について

色々難儀する事があった事と思います。

近年、投手の分業制が進み、先発投手が完投する事が減った事で

議論される事も増えるこの賞ですが、

個人的には先発完投型で、沢村栄治の凄さを称えて、という

権威ある姿を継承したいのならば、「該当なし」の年があっても良いくらい

厳格に審査をしても良いと思いますし、

その年の最高の投手に贈られる賞、という意味で考えるのであれば

基準となる7項目についての再考は不可避だと思っています。

どちらにせよ、野球というスポーツにも変化の波は来ている訳で、

それに対応した形が求められていますね。

 

その沢村賞について、元巨人の上原がコラムを掲載していました。

上原自身も巨人に入団した当初は先発完投型の投手で

その権威ある賞に思い入れも強い様子ですが、

そこから読み解くと、現代の野球界における問題提起もしていました。

自分も同意見だった事もあるので、以下で話していきたいと思います。

 

成長過程において身体のバランスが変化していくのは当たり前だと思いますが、

その身体に合わせた投球フォームを身に付ける事が1番大事で

選手の身体を守る為の一律の球数制限についてはどうなのだろうか?

と上原は述べています。

これは僕自身も同意見で、試合における球数制限だけが

クローズアップされていますが、そこに至るまでの過程として

肩を作る為の投球練習や、日々の練習におけるブルペンでのピッチング、

もっと言えば最初のキャッチボールなどは

あまり球数制限に言及していません。

肩が消耗品だという考えについては賛同しますが、

過度に負担がかかる投球フォームであれば消耗度は増す訳で、

極力消耗しない様な投球フォームを身に付ける事が先決だと思いますね。

僕自身、高校時代に球の投げ過ぎによって肘を壊しましたが、

しっかりとした指導者がいなかった事や、成長期だった事もあって

身体のバランスが悪かった事を放置した故の結果だと自己分析しています。

youtubeなどで知名度の高い元プロ野球選手が話していますが、

プロになった人達が最初に行うのが

1軍で活躍出来るパワーとスピードを身に付け、

且つ負担がかかる部分が故障をしない様にする「身体作り」だと言います。

150kmの球を投げたり、100m以上ボールをかっ飛ばしたりするには

瞬発的なパワーを常時生み出す身体作りが必要で、

それを継続的に発揮出来る様にする為にケガをしない事も必要なんだとか。

その肉体を手に入れた上で、技術的な練習が…と言っていましたね。

僕自身はプロになれる程の実力はありませんでしたが、

それでも力が噛み合えば高校卒業時には140km近い球は投げていました。

そのエネルギーに耐えられる身体作り、そして故障しないフォームが

身に付いていなかったんです。

その部分がベースにないと球数制限をしたところで無意味で

そこについては指導者のレベルアップも必要ですし、

プレイヤーの知識も成熟したものにする必要があるでしょう。

今はSNSなどで情報が溢れている時代なので、

それを積極的に利用した方が良いと個人的には思います。

 

次に上原が言っているのが、1イニングを15球で終わらせる事を

目標にしていたことです。

これによって、完投するには最大で9イニングで135球となるのですが、

その為にストライクゾーンで勝負出来る制球力を含めた工夫が必要だ、と

提言しています。

これも同意見で、不必要な球を減らす工夫をどれだけ投球の中に

組み込めるかという話だと思います。

先発が完投する様な長いイニングを投げられれば、

当然ながらリリーフ陣の負担は減る訳です。

本人以外にも良い影響を与える形にもなるので、

この部分についてもプロアマ含めてどんどん議論されるべき内容だと思います。

意見が成熟すればするほどスポーツの発展に寄与する話なので、

球数制限をしておしまい、という単純な構図にはならないはず。

こういった考えや取り組みがもっと浸透して欲しいですよね。

 

沢村賞は先発投手における最大の栄誉だと思いますが、

そこだけの議論ではなく、幅広く何が必要なのかを考えていく事が

プロだけでなく全体的に必要になっているのではないかと思います