究め道

色々感じた事を書くブログです

ベストメンバー

オリンピック開幕が粛々と近づいていく中、

野球の代表選手が先日選出されましたね。

稲葉監督が就任したのは2年前、プレミア12の大会に合わせてでしたが

その際に選ばれた選手が今回の選考の中心になった構成になっていますね。

youtubeプロ野球のOBやネットで記者が記事を載せていますが

「果たしてベストメンバーと言えるのか?」という声が多数。

2年前の大会のメンバーが中心になっているので

実績がある選手である事は間違いないのですが、

今年に関して言うと調子を落としている選手やケガを抱えている選手が

いるのも事実なので、疑問符が付くのは仕方がない事だと思います。

 

しかし、一方で外野が騒ぐ事ではない、とも個人的には思います。

例えばの話ですが、巨人の原監督とソフトバンクの工藤監督が

仮に日本代表の監督に就任したら、全く同じ選手選考になるか?

と言われれば、それはNOだと思います。

何故ならば、監督によって勝利までの道筋をどう辿るかは

考え方が違うから、です。

簡単に言うなら、打力で制す選考と守りを固める選考では

選ばれる選手が必ずしも一致しない、という事です。

監督の仕事は試合に勝つ事。

その為にどの様なプロセスを踏むかはその人によって違う訳で。

だからこそ、稲葉監督の選手選考は発表した内容の通りになったのでしょう。

なので、我々からすると、口出ししたい気持ちがあるのはわかりますが

見守るしかない、というのが結論だと思います。

勝てば官軍負ければ賊軍、という言葉の通り

稲葉監督に求められているのは結果で示すこと。

現段階で色々言われるのはちょっとかわいそうかな、と思いますね。

 

ただ、一言言いたい気持ちは理解出来ます。

野球と政治は多く語ると喧嘩になる、という言葉を聞いた事がありますが

それだけ自身のイメージしている戦略・選手選考があるのはわかります。

そして、自分がメンバー選考を出来るとしたら

現行の日本代表とは異なる事も事実です。

自分の思い通りにしたいという欲望は誰しもがあるもので、

そうならなかった事への失望感が怒り・ストレスに変わって

ついつい物申したくなってしまうのだと思います。

そういう意味では、日本代表の監督というのは辛い立場ですね。

 

国際大会で優勝する為に必要な事は何か?と問われると

明確な答えは自分の中にはありません。

ですが、過去の実績から実力的に安定している選手だけでなく

現在好調でノッている選手が一定数欲しい、というのはありますね。

トーナメントにおいて『勢い・流れ』というのは特に重要で

そういったものを作り出したり、流れに乗るのも大事な事。

だからこそ、今季調子の良い選手をもっと選んで欲しい気持ちもあります。

ただ、人間である以上、損なってはいけないのはメンタルです。

プロ野球選手ほどの実力がある人たちであっても

メンタルが好調でなければ良い結果は生み出せません。

今まで選ばれなかった選手が選ばれるという事は、

一方で選考から漏れる選手も出て来るというもの。

短い期間かもしれませんが、共に戦って来た仲間が

「今季調子が上がらないから」という理由で切り捨てられ

「今年は好調だから」と新しい人間がポンと入ってすぐに機能するか?

と言われれば、それもまた違うと思います。

プロだからそれくらい出来るでしょ、という人もいるかもしれませんが

逆に自分の職場に急に「出来る人間」が来たらどうですか?と聞きたいですね。

長い期間同じ職場で頑張って来たのに、急に来た人に指揮を取られたら

心中穏やかではないでしょう?自身のパフォーマンスに影響がないとは

言い切れないと思いますね。

その部分を稲葉監督は重視したのかな、と解釈しています。

 

ゲームで自分の好きな選手を選んで戦わせるのとは訳が違います。

だからこそ選手選考は一筋縄ではいかないのです。

更に言うなら、過去の歴史としてオリンピックなどの国際大会に

プロ野球界が決して肯定的な立場でなかった背景も考えると

選手だけでなく、球団やプロ野球機構側への配慮もしなければならないので

この辺りの難しさも加味されるでしょう。

いずれにしても全てを納得させる結論は現時点では出ない、という事。

好成績を収めない限り、批判が続いてしまうのが悲しい定めですね。

いち野球ファンとして、純粋な気持ちで応援したいところですが

複雑な心境になってしまいますね…