究め道

色々感じた事を書くブログです

「普通」って何ですか?

日常的によく使われる言葉、「普通」。

この言葉、実に厄介なものだと個人的に思っています。

 

独り身だった時、同じく独り身だった友人との会話で

どんな人が好みのタイプなんだろうか?と思って聞いてみると

返ってくる答えは「普通の人がいい」というものでした。

 

最近新規で始まった仕事場でのこと。

毎日顔を出してチェックをしながら歩いていると

偶に仕事の依頼を受けた担当の方とお会いするので挨拶をするのですが

その際によく言われるのが「普通にやってくれればOKですよ」という言葉。

 

また、ちょっと違う話ではありますが

先日のドラマで主人公が「普通の生活がしたい」という旨の発言もありました。

 

よくよく話を掘り下げて聞いてみると、

友人の話だと、教養があること、マナーを間違えないこと、

子供が欲しいので年下が良いetc。

新規現場の担当の方の性格などを他の方に聞いてみると

細かい人。色々なところに目がいく方だとか。

私たちから見ると頑張ってやってくれていると思うのですが…という返事でした。

ドラマでは「普通を求めるのは、普通以上に出来る人が求めるのであって

そこに至っていないアナタはダメなのだ」というセリフでした。

 

この「普通」という言葉は、ある意味定義付けが出来ないものだと

個人的には思っています。

言ってみれば、Aさんにとっては当たり前の事でも

Bさんにはトンチンカンなものだったりするのです。

例えば、毎日の食事について。

身体の疲労を取ったり、栄養バランスを考えると1日に30品目の

素材を使うと良い、という話を聞いたことがありますが、

身体に気を遣う仕事などをしている人にとっては

30品目は当たり前かもしれませんが

食費にお金を掛けられなかったり、そもそも食事に気を遣うところまでいけない

余裕のない人からすると、お腹一杯になれば良いので

30品目どころか20品目ですら怪しい人もいるでしょう。

しかし、それはお互いにとってそれが当たり前、つまり「普通」なのです。

それがある時いきなり30品目を食べなさいと言われた時、

一方の人は「そんなの無理です」というでしょうし、

もう一方の人は「それって普通じゃないんですか?」と答えるでしょう。

 

普通というのは"その人にとって当たり前の事"であって

世間の常識とは違うものなのだと思っています。

学校のテストで普通の点数というと、平均点か自身が設定した及第点を

指すことだと思いますが、

全てのテストで平均点・及第点を超える人は世の中に何%いるんでしょうか?

また、常識・マナーや清潔度を保つ基準、視点は人それぞれで

それらを全てクリアする人材が簡単に表れるのか?

と聞かれると、答えはNoになるのではないか、と思うのです。

その割に、発言する人はあまり深く考えずに発言しているので

それが非常に厄介だったりします。

『自分の常識=世間の常識』というのが様々な場面で遭遇するので

それは違うんじゃないかな…と思う日々です。

 

友人然り、取引先の方然り、または自分にとってもそうですが

「普通」の呪縛から解放される日が来て欲しいと

思う今日この頃です