この記事は今年度活躍した選手をデータで証明する内容になっていますが
非常に興味深いので紹介します。
昔は、評価の基準が打率・本塁打数・打点くらいしか表示される事はなく
そこから全てを読み解く事はかなり困難でした。
野球には様々な要素が含まれており、
同じヒットでも、状況によっては価値の度合いは違うのはお分かりのはず。
(10点差で負けてる試合のランナーなしの状況でのヒットと
同点で終盤を迎えた時の勝ち越しタイムリーヒットでは意味が違うのはわかるでしょう)
それを細かく数値化したものがこの記事の良いところではないでしょうか。
とはいえ、打撃部門が中心になっており、
走塁に関する項目は盗塁のみ、守備に至ってはゼロなので
これが全てと表現するのは難しいですが。
今回はこの記事に合わせて打撃に関して少し掘り下げようと思いますが
個人的に評価するとしたら、評価したい分野は出塁率と得点圏打率ですね。
プロ野球においての話ではありますが、
打者は3割を超えれば一流と言われています。
つまり残りの70%はアウトでOKとも言えます。
なので、アウトになる可能性が低ければ低いほどチームに対する貢献度が高く、
また投手にとっては厄介な存在と言えるのではないでしょうか。
単純に言えば、四球及び単打のみならば1点を取るには3~4個は取らねばならず、
確率で話すと四球及び単打が3本の場合は
5C3×(3/10)の3乗×(7/10)の2乗×7/10となります。
わかりにくくて申し訳ありませんが、こちらを数値にすると0.09261。
つまり約9.2%の確率となる訳です。
1点を取る(3つのアウトまでに3回ヒットor四球を取る)のが9.2%というのが
数値的に言うといかに難しい事かと理解出来るのと同時に
長打力(二塁打以上)が価値のある事がわかると思いますが、
トップの本塁打率を誇る西武・山川ですら134本の安打のうち単打が71本、
割合にして約53%なので、長打力がいかにある打者であっても
単打が本塁打数などに比べて圧倒的に多い事を鑑みれば
「アウトにならない割合が高い打者ほど貢献度が高い」と論じても良いのかと。
それはつまり出塁率の高い打者という事になるので
これは非常に注目するべきポイントだと思います。
得点圏打率というのは、ランナーが2塁及び3塁という
安打で得点が入る可能性が高い状況での打率を言いますが
前述の通り点を取る事が難しいという事、
野球というスポーツは点を取れば取るほど勝利する確率が上がる事を考えれば
いわゆる「勝負強さ」というのは大事な事だと思いますね。
記事では殊勲安打にも触れていますが、
勝利に直結する安打が一番重要度が高いものの
総括して得点力は大事なので、一般的に得点圏打率が評しやすいと思いました。
勿論、1本の安打で点が取れる本塁打は貢献度の高さと共に
野球の華でもあるので、魅力的に映ります。
周りの観客も魅了しますしね。
ただ、その点については世間的にもう充分に評価されていると思うので
今回は論点から外させてもらいました。
また、攻撃というのは打撃のみではなく走塁も重要ですし、
記事では盗塁数に触れていますが、データで表しにくいような
次の塁を陥れる力の高さも重要かと。
(例えば、ランナー1塁で単打が出た時に、2塁で止まるか3塁まで行けるかでは
その後の戦略に大きな違いが出るのは論ずるまでもないでしょう)
足の速さを表すには盗塁というのはわかりやすい指標ですが
走塁というのは全般的に評価しにくい部分でもあるので
逆に言えばその部分で勝敗が左右される事もあり得る事がわかると
データだけで全てを表現する事はとても難しい事だとわかっていただけると思います。
今回は長くなってしまいそうなので、この辺で了としたいと思います。
野球はやはりリアルタイムで観るに限る。
これが自分の結論です