究め道

色々感じた事を書くブログです

パーフェクトゲーム

今日はこの話題に触れずにはいられないので載せます。

ロッテの佐々木朗希が日本プロ野球では28年ぶり

巨人の槇原以来となる完全試合を達成。

1試合19奪三振は日本プロ野球タイ、

13人連続奪三振はメジャーも含めた新記録と記録づくめの試合でした。

リアルタイムでは観ていませんでしたが、以後のニュースで追って

色々と確認しました。

まずは圧巻の一言。

高校生の頃から球速で注目を浴びる存在でしたが、

3年目の20歳で記録達成はまさに令和の怪物の名に恥じないものでしょう。

色々なニュースや記事で目にしている部分と重なるかもしれませんが、

この試合の凄さを少し掘り下げようと思います。

 

この試合で164km/hを記録している球速は以前から言われていますが

この試合では殆どボール球を投げていない、というのが特徴的。

ボール球を打者が振っている側面もありますが、

105球で19三振を奪って完投する、というのがまず異次元です。

奪三振の多さはプロ野球記録なのでその凄さは割愛しますが、

近年よく言われるのが「1イニング15球をメドに投球を組み立てる」という話。

先発投手が1イニング15球で投げると、7回で105球になります。

現代野球で先発投手が7回を投げれば充分責務を果たしたという考えから

来るものなのですが、105球で完投するのは至難の業。

昔のプロ野球は完投が当たり前でしたが、完封試合でも120球はザラで

いくら安打・四球がなくても105球で終えるというのはかなり大変な事です。

相手が早い段階で打ったりしないと球数を抑える事が出来ないのですが、

105球の球数で19奪三振というのが凄い。

少なくとも、三振には3球が必要なので球数を減らす意味では

三振はあまり効率の良いアウトではないのです。

(一方、エラーの確率を考慮しないという意味で

最も安全なアウトが三振でもあるので、指標としては難しいところです)

ストライクゾーンで勝負をしなければ球数は減らせないのですが、

相手を打ち取る際には際どいコースに投げるのは鉄則なので、

そういう鉄則・常識を打ち破る投球だった、という事でしょう。

 

佐々木の凄いところは、この試合では真っ直ぐとフォークの2種類が中心だった

というのもまた驚異的です。

精度が伴っていないと相手に簡単に打たれてしまいますが、

一般的には球種が増えれば打者は的が絞りづらくなるので嫌がります。

的を絞らせずに打ち取っていくのが省エネ投球の原則ですが、

一方でクローザーと呼ばれる救援型の投手は必殺の球種があればOK

という考えになります。

ランナーを出塁させても点を取られなければ良い、という考えなのですが、

この試合では佐々木がクローザーの様な投球を初回から最後まで続けた、という事。

二律背反の様な考えの投球を見せたのは異次元だとしか表現が出来ません。

近年でも、こんな極端な投手は近鉄からメジャーに行った野茂くらいでしょう。

野茂の凄さや偉業は今回語るつもりはありませんが、

昨日の佐々木の投球は、メジャーで活躍する姿を否が応にも想像させられたでしょう。

これから先、更に球種が増えるのか、それともこの精度を高めていくのか、

本当にポテンシャルの高さを感じますね。

 

佐々木を引き立てたキャッチャーの松川にも注目したいところです。

高卒ルーキーのキャッチャーが試合に出る、というだけで途轍もないこと。

キャッチャーは経験が活きるポジションなので、若さはデメリットになるもの。

将来性もあっての起用もあると思いますが

キャッチング技術は勿論のこと、肩の強さもありますし

こういう試合を演出出来る程リード面でも期待出来る事も素晴らしいと思います。

「20歳と18歳の2人が去年のリーグチャンピオンに何もさせなかった」

という事実が、その凄さを何よりも表しているのではないでしょうか。

松川も注目するに値する選手なので、佐々木と共に追いたい選手ですね。

 

個人的な見解ではありますが、近年のスポーツはアスリート化が顕著になっていて

プロ野球でも多分に漏れずそうなっていると思います。

わかりやすく例えるなら、昔は150km/hを投げられる投手が

ごく僅かに限られていましたが

今では150km/hを投げる事はあまり大きな特徴にはなっていないですよね。

それに合わせて技術が進んだ事もあり、選手間の差が縮まっていると思っています。

つまり、それは27人連続でアウトを取り続ける事が困難になっている事を

示していると個人的には考えています。

28年間完全試合が達成しなかった背景として、

こういう要因もあると思いますね。

 

まだまだ語りたい事はありますが、それらについてはいずれどこかで

また載せたいと思います。

とにかく、凄い記録をたたき出した若者への賞賛と共に

将来の野球もまた楽しみになって来たと思わせる1日でした