究め道

色々感じた事を書くブログです

教え方の難しさ

日本のプロ野球界ではキャンプインして暫くが経ちますが、

広島の新監督になった新井の要望によって誕生したのが

黒田の球団アドバイザー就任。

黒田がメジャーで活躍しても広島に恩義を忘れなかった事や

その後の日本球界での活躍や移籍に至る迄のアレコレについては

ここでは割愛させていただきますが、

彼の経験値が球団アドバイザーというポジションに就いた事で

現場の選手たちに還元され始めている、という記事を目にしました。

具体的に言うと、練習中の選手たちに『気付き』を与える様な

声の掛け方をしているとのこと。

これは意外と出来る様で出来ない難しい事だと個人的には考えています。

 

日本人はどちらかというと与えられたものをしっかりと全うする事については

長けていますが、自ら考えたり行動をする事が比較的苦手にしているのは

日本人ならわかる事だと思います。

ただ、自分で考えて行動する事で身に付くものほど確かなものはないのも事実で、

黒田はそういった事をしている、という訳です。

学校教育によって先生から生徒への指導という流れが自然なのが日本なので

それが悪いという事ではなく、当たり前の事なんですよね。

だからこそ、自分で考える事が不得手になる訳で。

 

自分も気を付けていますが、人に物事を教えたり伝える時に

どう的確に伝えるか、というのはとても難しいと思っています。

余計な情報を排除してシンプルに伝えようとしたいのですが、

相手によって考え方や技量が異なるので伝え方を画一に出来ないのが難しいです。

ましてや、プロ野球界で活躍するには指導方法に正解があってないようなもの。

だからこそ、どんなに優れたコーチであっても当人に合った指導とは言い切れず

それよりも重要な事は「本人が気付いて実践すること」なんですよね。

気を付けなければならないのは『教え魔にならないこと』。

教え過ぎると、本人にとって何が正解なのかがわからなくなってしまうもの。

だからこそ、的確に刺さる様にアドバイスをする事が難しい訳で。

上達して欲しい思いで色々言いたくなる気持ちはあっても

グッと堪えて気付くのを待つ事が大切なんですよね。

 

黒田はプロ野球選手になりたての頃も一人前になる為に苦労し

(当時の山本浩二監督が我慢して起用していたのも大きな要素だと思います)

メジャーでも日々変化する事柄に対して正解を模索して来ました。

大事なのは引き出しを多くすることと、大切な場面でそれが引き出せるか

という事を言いたいんだと思いますが

彼のアプローチ方法を記事で読む限り

そういった部分をとても大事にしている様に感じました。

 

こういう話はすぐに実になるものではないので

今季ですぐに結果が出るものではないと思います。

しかし、数年後になって広島が強くなっていったとしたら

黒田のアドバイスは効いていた、という事になるかもしれません。

そういう意味でも、各選手には財産にしてもらいたいですね。

これがプロ野球全体への波及効果にもなって欲しいと思いますし、

それでプロの矜持を磨いていってもらうと共に

高いレベルでの戦いをファンに見せてもらいたいです