究め道

色々感じた事を書くブログです

ドーピング問題に思うこと

現在開催中の北京オリンピックですが、テレビで日本の選手の活躍を中心に

白熱した姿を連日報道していますね。

華々しさがある一方、今は影を落とす問題も取り上げられていますね。

ロシアのワリエワがドーピング検査での陽性反応が見られ、

出場の可否と対応に目が注がれています。

結果、奇異の眼差しを受け続けた為か、

ワリエワはフリー演技でミスを重ねて4位に。

大会前は圧倒的な強さを誇っていた為に金メダル筆頭とも言われましたが

試合終了によって幕引きとなるのか?というのが

個人的には気になるところです。

 

フィギュアを含む各スポーツの選手・OBらが見識を述べていますが

その過酷さとクリーンな身体作りに神経を注ぐことが

アスリートである上での"前提"である、というのが共通の見解ではないでしょうか。

特にそれを体験して来た彼らにしか話せない事柄があると思うので

我々一般人には理解する事は難しいくらいの苦労がある事でしょう。

ワリエワは故意ではない事と16歳以下という年齢によって

非常にグレーな結論で出場となりましたが、

他の選手からすれば「自分たちは細心の注意を払って来たのに

何故あの選手は出場出来るのか?」という感情になっても仕方ないですし、

本人もこれだけ騒がれて心身共に疲弊した姿を晒したので

彼女自身にとっても出場という形が良くない結果だった、と結論付ける様な

悲しい結果だったな、と思います。

検査した検体が去年の12月のものだった、というタイムラグもありますが

誰も得をしない結果になった事は大会関係者に責任があると個人的には思います。

責任を取ろうとしない姿が、結果的に選手を傷付けることになった事を

理解した上で猛省して欲しいですね。

忖度なく発言させてもらえるなら、一連の出来事は『論外』の一言です。

 

ドーピングの闇は基本的に深いものです。

メジャーリーグでもドーピングについてかなり議論されているのは間違いありません。

バリーボンズがシーズン最多ホームランの記録を打ち立てても

殿堂入りされないのは彼自身がドーピングに身を染めたから

と表現しても良いくらい厳しい目で見られるものです。

それでもドーピングをしてしまう人間がいるのは

富や名声を楽に享受したくなってしまう人間としての弱い心から来るものでしょう。

今回のオリンピックでの問題も、本人が例え故意ではなかったとしても

周りの人間が関与していた可能性は否定出来ず、

更に言うならロシアは国家ぐるみでドーピングに関与していた疑惑があるので

より厳正に対処する必要があったと思いますね。

それが出来ないなら、個人としての出場を認めるという玉虫色の決着ではなく

すっぱりと締め出した上で「こういう事をしたらイカンよ」と

ハッキリ言う必要があるでしょう。

低年齢だからOKとか、特定の国・人物に配慮する、なんていうのは

他の選手からしたら浮かばれない話ですからね。

99%の人が良い人でも、1%のクレーマーによって

そちらに合わせなければならない、なんていうのはナンセンスでしょう。

 

スポーツという勝敗が分かりやすく出てしまう事柄に関しては

完全な平等を保つ事は難しいことです。

しかし、平等な環境である、という前提があるからこそ

競い合いが互いを高め合ったりする事が出来る訳で。

そんな前提が崩されるのは競技者にとっても観戦者にとっても面白くないでしょう。

我々を熱狂させてくれるのは凄い技術を見せられるという事ではなく

互いを高めたり称えたり、その中でNo1を決めるという

人としての美しさではないかな、と思います。

勝利至上主義という考えが是とならない様に

幅広い見方をしたり、その姿を報道を通じて見せてもらいたいものですね