よくファッション業界で言われる話として
「流行はサイクルがある」というものがありますよね。
過去に流行したものが数十年の時を経てまた流行する、というもの。
自分はファッションについては本当に疎いのですが
まるっとそのまま戻って来るというものではないんでしょうが
ベースになっているものは「○○年前のもの」という話はよく耳にします。
普遍的なものもあるんだと思いますが
流行り・廃りというものはその時代ならではのものだと思っています。
本題。野球の話ですが、ドジャースが連覇達成で幕を閉じたメジャーでは
近年スプリットという変化球が脚光を浴びている、という記事を読みました。
正式にはスプリット・フィンガー・ファストボール(略してSFF)という球で、
落ちる球の代表格でもあるフォークボールに類する変化球です。
フォークボールは人差し指と中指で挟む様にして投げます。
スプリットも握り方はほぼ同じですが、フォーク程の落差はないものの
ストレートに近い球速で少しだけ縦に変化する(落ちる)球を指します。
フォーク系の球は球の回転数(スピン量)が少ないが故に空気の抵抗を激しく受け、
それによって球が落ちる、という仕組みなんですが、
投手のストレートのスピン量と比較した際に回転数が少ない事で落ちることと
ストレートとフォーク系の投球フォームが似ている事から
打者が「ストレートだ」と判断してスイングしたものの
ボールが落ちて空振りしてしまう、というのが特徴ですね。
尚、スピン量の差によってフォークとスプリットが分かれている様で、
スピン量が一定数を下回ると「フォーク」、上回るものを「スプリット」と
分類している様です。
(球速も、スプリットの方がよりストレートに近いですね)
1990年代を中心に大活躍をしたロジャー・クレメンス投手が
スプリットの使い手として脚光を浴び、同時期には多くの投手がスプリットを
自身の球種の1つとして投げていました。
しかし、同時期に各球団の投手たちが肘の故障を頻発させた背景があり、
当時はトミージョン手術もポピュラーではなかった為
(成功率が低かった事が起因しています)
スプリットは投手生命を脅かす可能性がある球種と位置付けられてしまい
その使い手は減少の一手を辿っていました。
一方、日本国内ではその様な類の話は耳にしていても
フォーク系の球種を投げる投手が減る事は殆どありませんでした。
結果的にというべきか、メジャーでは絶滅危惧種ともなったフォーク系の使い手が
日本からメジャーへと渡って活躍したのは
選手側からすると「見た事もない球を投げる投手だから」と
言い切れるんじゃないでしょうか。
ドジャースの日本人3選手はいずれもスプリットは投げられますし、
その安定した活躍は今更語る迄もないでしょう。
遡れば、野茂や上原が長期に渡って活躍出来たのもフォーク系を投げていたから
と言っても過言ではないのかな、と。
勿論断定は出来ませんけどね。
以前から、日本球界の定説の様な話として
「外国人選手相手にはフォークは効果的」なんて言われ方もされますが、
プロも慣れてくれば対応するからこそ凄い訳で。
今はまだ使い手が多くない現状があるので優位性が保たれていると思いますが、
研究が進んでメジャーで投げる投手が増えたらどうなるか?
というのは個人的には興味があるところです。
それと同時に気になるのが「怪我しやすいから」という理由で敬遠されてきた球種が
時代の変化と共にどう捉えられるのか?というのも興味があります。
トミージョン手術の成功率は今や90%以上とも言われていますし、
リハビリ期間を経てより大成功を収める選手も増えて来ました。
また、スプリットが怪我しやすいのか?という因果関係も
一考の余地があるのではないか、とも思います。
個人的には球速の上昇と1球辺りの登板間隔の狭さ、休養期間の短さ(中4日制)
の方が負担が強いのでは?と考えているので、
スプリットの使い手が増える事による新説にも期待したいところです。
話を戻しますが、2025年現在ではスプリットが脚光を浴びている事もあって
翌年以降スプリットの使い手が増えるのでは?と考えられている様です。
流行り・廃りの話で言うと30年くらいのサイクルで
この話が戻って来たんだなぁと感じています。
球速の高速化は今更変わらないと思いますし、
昔から変わらない話の1つに「カーブの使い手」に好投手が多いというのもあります。
カーブの良さは説明するとかなり難しくなってしまうので割愛しますが、
本当に優れたカーブを投げられる投手が近年あまり多くないのは
それだけ優れたカーブを操るのが難しいという側面もあります。
要は、修得する為の費用対効果を考えるとお手軽ではない、という意味ですね。
スプリットを含めた他の変化球がお手軽か?という話とはまた異なりますが、
打者をアウトにする(空振りが取れる)球として
この話が出て来ているのは非常に興味深いですね。
マニアックな話になっていきそうなのでこの辺で了としたいと思いますが、
変化球1つとってもこれだけ語れる野球というスポーツは
奥深いものだと思いますね