究め道

色々感じた事を書くブログです

嫌いな言葉

今回は愚痴の様な話。

ストレスに感じる事なので、読まれる方に不快感を与える可能性があるので

それが嫌だという方はスルーして頂けると幸いです。

 

最近『タイパ』という言葉が流行しているという話を耳にしました。

正式名称はタイムパフォーマンス。

youtube等の動画や映画・音楽等を通常再生するのではなく

2倍速等にして「短時間で楽しむ」というものだそうで。

当該コンテンツに対して時間をかける事に価値があるのか?

という視点でこの様な発想が出ている様です。

昔の話で言えば、テレビ番組をビデオ録画してCMのところだけ

早送りで飛ばすのも、ある種タイパなのかもしれませんね。

正直、オジさんなので短時間で色々楽しめる程脳や身体が優秀ではないので

あまりそれに関しては明確に自分の考えを伝える事は出来ないです。

ただ、映画監督等がタイパに対して拒否反応を示しているのを

記事で読んだりした事があるので、

理解出来なくはないかな、と思っています。

 

タイパという言葉が流行る前、というか一般的な言葉として

定着した感がありますが、『コスパ』という考えがありますね。

日本語で言うと費用対効果ですが、自分はこの言葉が本当に嫌いです。

流行り言葉が嫌いという事ではなく、この考え方が嫌いなのです。

簡単に言うなら出したお金に対してどれだけ満足したか、という事ですが

自分の体感的には、この言葉を使っている人の90%以上が

パフォーマンスに対しての感想はほぼ無くて

コストしか見ていない、と思っています。

『安い=価値がある』と思っている人が使う言葉に見えますね。

 

金額というのは数値なので、客観的なものです。

それに対して効果、パフォーマンスが良いと思うかどうかは主観的だと思います。

その為、同じ金額を払っても満足度がそれぞれ違ってしまうのは

ある種当たり前だと思っています。

ですが、本当に良いものにはそれだけの価値がある訳で。

例えば、漆塗りの食器に数多くの職人が携わっていて

長く継承された技術や、それだけに留まらない新たな技術革新が

詰まっている事は、少し調べればわかる事です。

高い技術が積み重なった結晶なのにも関わらず、

「これっていくら安く出来ますか?」と聞いてくる無粋な人間がいる為に

多くの人が泣かされているのが現状なんですよね。

あらゆる業界において上の様な現象が起きていて

結果的に質が高くないものが世の中を席捲し、

結果的に安物買いの銭失いにもなっていますし、

高い技術ではないのでお金を稼ぐ事も出来ず、

国として貧相になってしまっているのではないかな

と個人的には思っています。

粗悪品を掴まない様に見る目を養う必要はありますが、

根本的に高い費用にはそれなりの理由が基本的には備わっている訳で。

それを一列にして『高いからダメ』というのは如何なものかと。

話の俎上にも乗らないのってどうかと思うんですよね。

 

コスパという言葉を使っている人が、良いものを愛用している姿を

自分は見た事がないです。

だからこそ、自分も仕事をしていて度々言われる「コストがね…」という話に

辟易しているのです。

自分の会社が中小企業な事もあり、どんなに技術を追求しようとしても

結局その分野において知見のない人間の残念な一言によって

辛酸を舐め続けてきました。

それを象徴する『コスパ』という言葉。

本当に嫌いです。

 

政府が景気浮揚の為に施策を打ち出していますが、

デフレを危険な状態と認識せずに歩み続けた国民のマインドは

そう簡単に変わるものではありません。

自分の懐事情とは考えを切り離して

高いものでも価値のあるものにはしっかりと払うのが当たり前

という世の中になって欲しいと切に願います