究め道

色々感じた事を書くブログです

豊かさとは

自分は家に居る時はだいたいテレビを付けてしまいます。

テレビが好きなのもあるので、何となく見てしまうのが習慣。

夕飯時にも妻と話をしながらテレビを観ています。

 

先日、テレ朝系のノブナカなんなん?を観ましたが、

特番な位の枠の時によく出演される田村ファミリーが今回も出ていました。

田村ファミリーはテレビ関係者ではない一般人なのですが、

この番組は一般的な価値観を持っていない人たちの日々の生活を追う事が多く、

田村ファミリーは「ガス・水道・電気代を0円で生活する」という

非常に変わった生活をする家族としてフォーカスされ

インパクトの強さもあって特番になると放送される事が多くなりました。

今回で6回目?らしく、最早定番化すらされている感がありますが、

彼らの生活には本当に多くの知恵が詰まっており

観る度に感心させられるんですよ。

 

ガスを使う事は基本的になく、火を使う場合にはほぼ薪を使用します。

調理系や冬場の暖を取るのは薪。

それ故にすす払い等の苦労もありますが、ガスは不要だそう。

電気は電線を引いていないのですが、電気が入り用の時の為に

自分の家の屋根にソーラーパネルを設置しており、

それで全てを賄う形を取っています。

通常の暮らしではソーラーパネルで全てを賄うのは不可能に近いミッションですが、

彼らの生活で電気が必要な瞬間はPCやスマホ充電が中心で

家の明るさには殆ど電気を使用していません。

簡単に言えば「朝は起きて日中に活動、夜は慎ましくして寝る」という事。

言うは易く行うは難しを実践しているので、

結果的にはそれで電気を賄っているのです。

ライフラインの肝である水は、近くの小川から自分の家まで

用水路を自分たちで作り上げて引いており、

その水量で1日の生活を計画的に過ごしている、という感じです。

トイレ等は肥として再利用しているので、所謂ボットン便所。

お尻を拭くのも比較的柔らかな木の葉を使用するので

不確定に水を利用するケースが少ないのか、水の量を計算出来るんだと思います。

 

食料系は畑の野菜などをメインにしつつ、

旦那さんが町の御用聞き(便利屋さん)として得る収入で

食用油などの購入をしているとか。

自分たちの生活を整える方がメインなので、収入は多くありませんが

それでも工夫で乗り越えているのが本当に凄いです。

(主な支出は車のガソリン代とかだそう)

夫婦の間に男の子が1人いるんですが、お腹が空いたら畑に行って

食べられる草や果物を獲って食べるという

現代の日本では考えられないですが、昔の日本では当たり前だった光景が

そこで行われている、という感じでした。

因みに、現在は廃材を利用して新家屋を建設中だそう。

基本的に旦那さん1人で作業しているので年単位の仕事ですが、

自身で建築の勉強をした後、設計図となる模型でイメージを固めて建てているところ。

彼らの住んでいる場所が青森県なので、

その土地ならではの難しさもあるとは思いますが

本当に逞しく生きている感じです。

 

字面で書くとこんな感じですが、本当にタフな生活をしているのにも関わらず

家族3人はとても笑顔で毎日を過ごしているのが印象的でした。

テレビの映っていないところでの苦労は伝えられない程あるのかもしれませんが

それを撥ね退ける心の強さと表情をテレビ越しに感じます。

彼らの生活を見ていると「豊かさって何だろう?」と

本気で考えさせられてしまいますね。

日本は先進国の部類だと思いますが、

水道・電気や食料品だけでなく娯楽まで充実しているのにも関わらず

人はもっと便利に、もっと快適に、というのを求めて

色々なものを開発しています。

目に見えるものが増えているので豊かになっているのか?と考えると

今の日本人の多くのマインドは決して豊かとは言い切れないでしょう。

人間は欲深く、そしてネガティブなものに支配される事が多いものですが、

光の裏に影がある様に、物が増えて便利になる反面

心が豊かになっていかない事が今の日本人なのかな、と思ったり。

幸せの国と言われるブータンでは、物資等は決して潤沢ではないですが

国民の幸福度が高い事で有名な国です。

『物がある事=豊か』ではないと考えさせられる稀有な国だと思いますが、

この田村ファミリーも、もしかしたら心がその境地にいるのかもしれません。

彼らに学ぶ事は、テレビを通じてでも決して少なくない様に感じますね。

 

こんな事を言いながら、妻と毎日夜まで明かりの付く部屋で

おしゃべりをしたりお菓子を食べたり。

休みの日になれば外食を当たり前の様にしている自分。

この境地に達する事はないのかもしれませんね…