究め道

色々感じた事を書くブログです

著名人の死と世代交代

先週末は寂しくなる訃報が続きました。

金曜日に笑点でお馴染みの三遊亭円楽さんが、

土曜日にプロレスラーだったアントニオ猪木さんが亡くなりました。

この2人は父親くらいの年齢で、戦うフィールドは違えど

テレビで絶え間なく見かける人物だったので

昭和生まれの自分からすると寂しさしかありません。

特に、病に倒れた後の姿を自ら公開していたのには

ある種の覚悟の様なものも感じましたし、

元気に仕事をしていた頃の姿からすると痛々しい姿だったので

正直見るのも辛くなる程の姿ではありましたが、

最後までファイトする姿を世間に届けようとしていたのを

否定するつもりはありません。

寧ろ、そこから奇跡の生還を、というものを期待していましたし、

そんな事を考える人は自分だけではなかったと思います。

先ずは、安らかにお休みいただきたいのと

支えられていた方々にも敬礼をさせていただきたい気持ちです。

 

円楽さんがよく出演していた笑点は60年以上続く

まさにテレビ界の歴史と共に歩む番組。

世代交代をしながらお茶の間に笑いを届ける番組として

知らない日本人はいないんじゃないか、と思います。

正直、子供の頃はお題目とそれに対する回答が

わからない事が多かったです。

落語家さんらしい頓智の利いた答えが子供には理解出来なくて

ちょっと退屈すら感じる事もありました。

でも、偶にわかる回答が来ると面白いと思いましたし、

年を重ねて様々な経験を積んでいく事で回答が理解出来る様になり

本当に凄い番組だなぁと年々凄みを感じています。

円楽さんは毒のある回答をする事でニヤリとさせられる事が多かったですが、

桂歌丸さんや、春風亭昇太さん、林家たい平さんらと

毒づきながらも笑いに変えてしまう絶妙な回答は

普段の関係性があってこそ、ではありますが

今でいう「いじり」のはしりだったかもしれません。

 

自分はプロレスに関しては殆ど無知なのであまり多くは語れませんが

アントニオ猪木さんのエピソードは今の日本人では

到底再現出来ないくらい豪快且つ先鋭的なものでした。

だからこそ観るものを惹きつける魅力があり、

プロレスラーとしてのキャリアを終えてもエンターテイナーであり

「これで良いんだ!」と自分が信じた道を突き進む姿が

ファン以外の人間すらも巻き込むエネルギーを生み出す震源地で

唯一無二という言葉がピッタリの人だと思います。

プロレスを知らない人でも「1,2,3,ダー!」のフレーズは

耳にしているでしょうし、

闘魂注入でビンタをして相手に喝を入れる姿もお馴染み。

そして、周りに元気を分けている様で、

その人たちを見てまた新たな自分の活力に換えられるという循環は

ある意味人間の世界における理想の姿を体現している様に思えました。

 

少し前の世であれば、晩年の姿というのは

見せる事自体に抵抗がある人が殆ど。

良いイメージのまま余生を過ごすケースが一般的でしたが、

2人は病で倒れた後も、敢えて自身の姿を晒して

自身を鼓舞すると共に同世代を含めた人たちにエールを送ろうと

していたのではないかなぁと勝手ながら考えています。

「『カッコ悪い』なんて気にするな。最後まで戦おう」という

メッセージを送られている様な気がして

そういうのも時代の変化なのかな、とちょっと思いますね。

生き様を語る事が供養になるのであれば、

例えファンでなくても色々な話をしたり聞いたりしたいものです。

 

笑点の他のメンバーや現在のプロレス界をけん引する人たちは

新たな世界を創り上げる事が大切です。

「あの頃が良かったね」と言われない様に頑張ってもらいたいですし

そうする事で歴史が積み上げられていくと思うので。

どの世界でも世代交代なんて当たり前だと思いますが、

歴史に泥を塗る蛮行をしない様にするだけでなく

次世代に良い形でバトンタッチ出来る様に頑張っていきたいですね