究め道

色々感じた事を書くブログです

転職とヘッドハンティング

かっぱ寿司の社長ほか数名が不正競争防止法違反により逮捕される

可能性がある、というニュースを今朝観ました。

経緯は現状不明ですが、かっぱ寿司の現社長は以前はま寿司の幹部であった事、

はま寿司側が情報を不正取得したのではないかと

かっぱ寿司側を2021年7月に提訴している、という情報があり

かっぱ寿司に転職する際の手土産としてはま寿司の情報を

持って行った可能性が高い、というのが今回の概略です。

 

現代において情報漏洩は最も防ぐべき事案の1つである事は

世間的にはかなり認知されていると思います。

PC等でデータを管理する事が当たり前の現代において

ハッキング等による情報漏洩を防ごうと各企業が取り組んでいるのは

簡単に言うなら「メシの種がバレない様にする事」なので

ある種必然とも言えるでしょう。

それをライバル企業に持って行く、というのが如何におおごとであるか

というのも想像が出来る事だと思います。

従って、今回の事件は世間的な感覚で言えば"当たり前の結果"でしょう。

 

今回の事件が大手企業間であった事、事案が世間に与える影響の大きさを鑑みて

警察は動いた、と個人的には考えています。

日本の中小企業の多さは世界的に見ても珍しい部類に入りますが、

中小企業が誕生する背景の要因の1つとして

「サラリーマンが、会社員時代に培ったノウハウを活かして起業する」

というストーリーがあると思います。

自身の知見を活かして起業する、というのは

一見すると良い話に聞こえるかもしれません。

 

正直な話、よっぽどの野心がない限り独立するというのは基本的にはリスキーで

その形で成功している人は所謂"政治が上手な人"だと思います。

その為の形跡を残さなかったり、裏で手を回す事でもしないと

到底長続きする事はありません。

ただ、その人を決意させる背景を考えると、

会社に対する不満などがあるから起業する、というのが一般的な解釈だと思うので

企業側が社員を定着させられる様に福利厚生や待遇改善に

躍起になっているのが今の日本だと思いますし

満足していれば会社を辞めるという発想にはなりにくいので

一般的にはホワイトと呼ばれる様になるのでしょう。

 

会社に勤めた事がある人なら理解しやすいと思いますが、

自分が転職活動をする時に、以前と同業・同職を基本線に考える

のではないでしょうか。

その分野において一定のスキルがあり、そのスキルを活かすという事は

即戦力として働ける可能性が高いこと、そしてそうであればある程

転職先の給与面に関しても優遇される可能性があるからです。

全く知らない分野に飛び込む人もいるとは思いますが、

その際には給与や待遇面で前職よりも下がる事は覚悟する必要があるでしょう。

だからこそ、ヘッドハンティングの様なケースでは同業他社に流れるケースは

決してレアケースではなく、事情を理解すれば当たり前の結論になります。

同時に、優秀な人材であればある程引き抜かれた側は戦力ダウンは必至で

露骨すぎる場合においてはその業界から嫌われるケースもある訳です。

 

話を冒頭に戻しますが、ライバル他社へのヘッドハンティングを狙った

かっぱ寿司と当人の間では上手く話が纏まっていたのかもしれませんが、

喜んで貰おう(企業としての成長も視野に)と情報を持って転職した現社長は

あまりに露骨過ぎたのではま寿司から提訴もされ、

その形跡が残っていた事が警察にバレた事で逮捕事案になったのでしょう。

ただ、小さい規模で言えばこんな話は自分の業界も含めて山ほどある訳で、

昔ドラマで「事件の大小が~」なんてセリフがありましたが

今回のものは「大きかった案件なので処理した」という事です。

自分からすると「ふ~ん」くらいにしか思わないですし

これに憤慨する人は世の中の醜い部分をあまり知らないんだろうなぁ

と思ってしまいますね。

狡猾な人間なんていくらでもいますし、それを理性で制御するのが人間なので

理性のタガが外れたら誰でも有り得る話ですよね。

端的に言うなら「自分の利の為に裏切った話」なので

子供のレベルで言えば親に噓をついた、とか

そういう話と構造的には似てますよ。

お金や社会的地位、感情が絡んだ話ですね。

 

数カ月前の話ですが、久しぶりにかっぱ寿司に行ったところ

結構美味しくてビックリしました。

かっぱ寿司が回転寿司チェーンの1番手から衰退して

数年で回転寿司と言えばスシロー・くら寿司・はま寿司が最大手、

かっぱ寿司はトップ3に入る事すら出来なくなっていました。

確かにトップ3に比べると味が良いとは思えず、陥落にも納得でしたが

数カ月前に食べて美味しかったので「頑張っているんだろうなぁ」と

勝手ながら感じていました。

しかし、こういう裏側があったとは知らず。

今回の事件が概ね事実だとしたら、ある意味美味しくなったのも

腑に落ちる話だな~と思いましたね。

ある意味、1番正直なのがお客なのかもしれません